琵琶湖一周自転車の旅(西岸編)

琵琶湖一周自転車の旅(西岸編)琵琶湖一周サイクリング2日目。長浜をスタートして比叡山延暦寺に寄り道しつつ大津まで

走行日 2010年9月19日(晴)
走行距離 118 km
使用した愛車 バイクフライデー・ポケットロケット
コース概要 長浜(宿泊)→明音山千手堂→賤ヶ岳隧道→琵琶湖最北端→永原駅→八幡神社御旅所→暁霧・海津大崎→海津→今津→さざ波サイクリングロード→外ヶ浜→しんあさひ風車村→宝船温泉→近江高島→大溝城跡→白髭神社→白ひげ食堂→びわ湖レイクサイド自転車道→小野妹子の墓→真野浜水泳場→堅田→浮御堂→梅之宮神社→雄琴温泉シルクロード→比叡山延暦寺→琵琶湖疎水→大津客船ターミナル→JR大津駅

琵琶湖一周自転車の旅(東岸編)」に続いて琵琶湖をぐるっとまるごと満喫する二日目です。
今日は、宿泊地である長浜市から一旦北に向かって琵琶湖の最北端を確認し、そこから琵琶湖の西岸を南へ下って、途中で織田信長に焼き討ちされたことで有名な比叡山延暦寺に寄り道しつつ、昨日出発したJR大津駅を目指し琵琶湖一周を完遂する予定です。

一昨日の晩に飲み過ぎたせいで昨日起きられなかった反省を活かして昨晩は10時に就寝(笑)
万全の体調で朝7時に宿を出発だ!

宿泊地である南浜水泳場を出発し、まずは琵琶湖最北端を目指して県道331号線を北上します。
朝目覚めて外を見ると、燦々と輝く朝日にうっすらとうろこ雲。今日も自転車日和だ! 姉川の河口にはものすごく沢山の鳥が集まっていて、キレイなんだけどちょっと怖いくらい 県道331号に沿って広々とした自転車道が続いています。でも防風林があるので湖面は時々しか見えない

朝は涼しいし自転車に乗ってると最高に気持いいね~。
って、朝早くから自転車にのるのはかなり久しぶりだよなぁ。。。なんてことをボンヤリと考えながらペダルを回します。

県道331号線では、時折、防風林の隙間から琵琶湖が見えたり、反対側に干拓によって作られたと思われる大きな溜池があったり、「変化」というほどではないけど、微妙に移り変わる景色が楽しい♪
奥にぼんやりと見えるのは竹生島かなぁ。手前に島のように見えるのは木が集まってできたものみたいです しばし琵琶湖沿いを走ってきましたが、片山隧道で山本山を抜けると、そこは・・・ 田園地帯だった!先程トンネルで抜けてきた山本山の山並みが視線を遮るため、琵琶湖はまったく見えず、ごく普通ののんびりとした田園風景が広がってます。
片山隧道を抜けるといつの間にか県道331号から44号に変わっていました。
そのまま小さな盆地状の田園地帯を北上していくと国道8号線とぶつかります。ここで8号線を左折すれば賤ヶ岳トンネルを抜けて再び琵琶湖沿いに戻れるのですが、サイクリングロードは旧道である賤ヶ岳隧道の方に設定されているので標高差50mほどの小さな峠を登ります。
田園地帯の中になんだか素敵な用水路の公園がありました。交錯する水路はやはり美しい! 左手に見える山肌に「礒野山城址」と書かれた看板がありました。 国道ではなく賤ヶ岳隧道へ向かう旧道へ。道路沿いに植えられたコスモスが綺麗に咲いていましたが気温は完全に夏だ・・・

賤ヶ岳といえば、織田信長亡き後の主導権を争って羽柴秀吉と柴田勝家が戦った「賤ヶ岳の戦い」が有名です。
羽柴秀吉は賤ヶ岳の戦いに勝利することで旧織田家の家臣を取り込み天下統一へと進んでいくわけですが、その舞台となった戦場がまさにこの辺り。

わずか二日間の戦いにもかかららず、辺りはたくさんの屍体で埋め尽くされ、余呉湖が血で紅に染まったというから凄まじい・・・
今は古戦場に登る観光リフトなどもあったりして絶景スポットとしても知られているみたいですが、寄り道はしませんよ(笑)
坂の途中にある伊香具小学校。何という古い校舎!というのは冗談で反対側に立派な校舎があります 悪事一切苦患から救ってくれるという明音山千手堂。伊香順拝17番札所にも指定されています。 煉瓦造でこれまた趣のある賤ヶ岳隧道。出口側の看板には「周道如匡」という謎の文字が書かれていますが、これは「屈曲の多い湖岸の道を隧道によって真っ直ぐにした」という意味だそう
賤ヶ岳隧道を抜けたら坂を下って再び国道8号線と合流し、そのまま琵琶湖の北端にそって走ります。
賤ヶ岳隧道を抜けると琵琶湖を見渡す絶景!筋雲がたなびいて幻想的~。出口のすぐ隣には湧き水もあるのです 合流してすぐに旧道へ入り、藤が崎を廻ります。車も少なくて快適~ ここが琵琶湖の最北端!的な看板があるかと思いきや見あたらず、たぶんこの辺りが最北端ではないかと・・・

今回走っている「ぐるっとびわ湖サイクルライン」には幾つかのオプションコースが設定されており、その一つが琵琶湖の北部にある「奥琵琶湖パークウェイ」を通るルートです。

半島沿いのアップダウンが激しいコースのようですが、高い場所から琵琶湖を眺める数少ないチャンスでもあります。
一方、標準的なコースは半島の付け根を岩熊トンネルでサクッと通過しちゃうので、距離的には10kmくらい追加になりそう?

まぁ、でもここは行くしかないでしょう!
と、分岐点までやってきたのですが・・・
ノォォォ!なんか工事中で進入禁止に~。どうやら一方通行化しており逆側からは入れるようなのですが、そこまでがんばる気力はないw 仕方なく標準ルートへ向かうも、今度は岩熊の集落で強烈な激坂!短くて良かった~ 岩熊トンネルは片側車線を全て自転車道にしちゃうという贅沢な造り!これくらい広いと自転車でも安心ですね

奥琵琶湖パークウェイに行けなかったのは非常に残念だったのですが、このおかげで時間的に余裕ができたので比叡山延暦寺を見に行くという目標が現実のものとなりそうです。

岩熊トンネルを抜けて坂を下ったら国道303号線を離れて県道557号線で大浦の集落へ向かいます。
大浦川沿いに建つ永原駅は田舎の小さな駅って雰囲気満点 大浦川沿いに走って琵琶湖に注ぐところまでやってきましたよ。久しぶりの琵琶湖だ~ 八幡神社御旅所と書かれて大きな石が奉られています。琵琶湖沿いでは「御旅所」をよく見かけるなぁ

「御旅所(おたびしょ)」とはお祭りの際に神体を乗せた御輿などが休憩する場所のことなので、おそらく何か琵琶湖を巡るお祭りなどがあるのでは?と想像してみたり。

コースは東山の南側に沿って海津大崎へ向かう県道557号線を走ります。
琵琶湖の北部は南部に比べて山が間近に迫っている印象なのですが、この場所はもっともそれを強く感じる場所だったりもします。
山の斜面からすぐに琵琶湖の湖面になっています。琵琶湖の周囲ではこういう場所は珍しい おっと、野生の猿を発見!はじめは道路にいたのですが柵の上に逃げちゃいました。驚かせてスマン 岬の南端付近。ふと湖面を見るとなんかメチャキレイじゃないですか!琵琶湖北部は水が綺麗というのを改めて実感します
この辺りは水が綺麗なためか、水泳場(湖なので海水浴場ではないw)がたくさんあります。
左上の写真も水泳場の一つですが、「砂」ではなく「小石」を敷き詰めた浜辺で、泳いだり、バーベキューをしたり、ボートなどを降ろしたりしている人たちがチラホラ。
名勝 暁霧・海津大崎の岩礁と書かれた碑を見つけるも、具体的にどこら辺が岩礁なのかイマイチ分からず・・・ この辺かな?と岬の先端を撮影w 場所はあってるっぽいけど景色がだいぶん違う? この辺りは長い桜並木にもなっており春に来たらすごくキレイそう!

東山周辺は琵琶湖の中でも随一の景勝地として知られているらしいのですが、たしかに山と湖のコントラストがすばらしい!
アップダウンもないし、もうこのままでいいよ。と思うところですが長くは続かず海津の集落についたところで終了となります。

んで、この海津の集落がまた別の意味で楽しいスポット♪
海津港は大津に次ぐ琵琶湖で2番目に大きな港として栄えていたということで、古い町並みが残されている素敵な場所なのです。
竹生嶋(ちくぶしま)というお酒を造っている吉田酒造。かなり良い雰囲気出してる~ 海津迎賓館と書かれた立派な邸宅。中がどうなってるのか分からないけど料亭らしい? 集落の外れにはマキノサニービーチという水泳場があり、家なりの人で賑わっていました。

海津の街にはこのほかにも港の跡とか古い神社とかいろいろ面白いものがあるので琵琶湖1周の際には是非立ち寄ってみてください~

海津の集落を過ぎたあとも引き続き静かな琵琶湖沿いの道を走ります。
車が行き交う国道とは1本離れている上、立派な松並木が続き、その隙間から見える琵琶湖の景色がすばらしいナイスな道。
古い松並木のすぐ向こう側に琵琶湖の浜が広がっています。どうやら浜にはそれぞれ名前が付いているみたい。 ちょっと浜に出てみた。ボートやらジェットスキーやら何とも贅沢な休日を送っている方々がたくさんいますよ。 今津の集落に入ると、これまた古い町並みにキレイな水路が流れて素敵!もうここに住みたいw
海津同様に琵琶湖の港町として栄えていたという今津にも古い建物がたくさん♪
日本海で水揚げされた物資を小名浜から大阪へ運んでいた「九里半街道」のスタート地点。 明治時代には大型の蒸気船が接岸して賑わっていたという今津桟橋跡。今は静かな漁港の雰囲気 現役の港は竹生島行きの観光船の乗り場です。竹生島は神がすむ島といわれ国の史跡にも指定されています

上段中央の写真で港に向かって川が流れ込んでいるのですが、これが強烈に汚い!
茶色く濁った水が異臭を放ってて・・・。琵琶湖北部であれだけ綺麗だった水が南部に行くと驚くほど汚くなっている理由を垣間見た気がするとともに、淀川が阪神エリアの重要な水源であることをもうちょっと考えた方が良いのではないかと思ってしまいます。

今津の集落を出たところにある木津の交差点から「さざ波サイクリングロード」がスタートします。
さざ波サイクリングロードはこの場所から約6kmに渡って琵琶湖沿いを走る自転車道~
木津の交差点を海沿いに左折すると「さざ波サイクリングロード」。 竹生島へお参りする代わりに、この場所からお賽銭を投げたという「竹生島逢拝所跡」。今でも古銭が流れ着くことがあるそうです 途中、煉瓦造の遊歩道があったりして楽しいのですが、新旭水鳥観察センターより先は県道333号線沿いを走る形になります。
県道333号線沿いは琵琶湖には近いものの雑木林で視線が遮られて湖面を見ることはできません。
代わりに反対側に見えるのが様々な形の別荘群。県道に沿ってほどよい間隔を保ちつつ優雅な暮らしぶりが続いていますよ~。途中で見つけた看板によると温泉付き別荘地575万円~とか。どうですかお客さん!
琵琶湖が最も大きく見えるという外ヶ浜。評判通り対岸は全く見えず見渡す限り琵琶湖!っていう感じ 大きな風車が目印の道の駅「しんあさひ風車村」。あまり補給できるところがないので重要なスポット 近江高島駅のちょっと手前にある「宝船温泉」。ヒドロ炭酸鉄泉という珍しいお湯が美人の湯として評判
「ぐるっとびわ湖サイクルライン」は宝船温泉を過ぎた辺りで琵琶湖沿いを離れ近江高島駅方面へ向かいます。
この近江高島の市街がまた良い雰囲気なんですよ~
近江高島は明智光秀が設計したという大溝城の城下町。道の中央に石組みの水路が流れている珍しい構造です 明智光秀が設計し、織田信澄が城主を務めたという大溝城跡。信澄は本能寺の変のあと、謀反の疑いをかけられて自害、城は解体されてしまいます。 国道161号線との合流地点。この看板、果たして右へ行くべきか左へ行くべきか・・・?

近江高島の先は、今日走るルートの中でもっとも走りにくい場所・・・
これまで走ってきたルートはどこもそれなりに自転車道が整備されていたのですが、この付近の国道161号線沿いには「自転車道」と呼べるものはなく、反対車線の歩道を走ることになっています。これが路面状態が悪く走りにくい・・・

僕と同じ方向へ向かう(反時計回りに走っている)自転車の多くは琵琶湖側の車道を走っていましたが、あまり道幅も広くないので怖そう。。。
その上、寄り道スポットやそのあと続くサイクリングロードは反対車線側から入るかたちになるので、どこかで国道161号を渡らねばなりません~

上段右の写真で、左の坂を下って国道をアンダーパスすると琵琶湖側の車道、そのまま進むと反対車線の歩道を走ることになります。
国道をアンダーパスして琵琶湖へ出ると、ここはどこのリゾート地ですか?というくらいさわやかな景色♪ しばらく走ると湖面に浮かぶ鳥居が見えてきました。これは白髭神社の湖中大鳥居です。 近江最古の神社だという白髭神社。「白髭さん」の名で知られ、「近江の厳島(いつくしま)」とも呼ばれています。

さて、そろそろお昼の時間です。
昨日は昼食を食べ損ねて夕方エネルギー切れになりましたから今日はきっちり食べたいところ(笑)

なーんて思っていたところ白髭神社のすぐ隣に「名物 おでん とんじる 白ひげ食堂」という、このくそ暑い中では全く食べる気が起きない看板を発見w
しかし、名物というキーワードに惹かれて携帯Google先生に聞いてみたところ、豚汁ラーメンという異色のメニューで割と有名なお店らしい!?
「名物 おでん とんじる」という控えめな看板。琵琶湖側を走っていたら絶対見落としてたと思うが、トラックドライバーには割と有名なお店らしい 噂の豚汁ラーメン。まさに、豚汁の中にラーメンを入れました!という味で、それ以上でもそれ以下でもないのだけど意外に旨いw 甘い味付けでじっくりグツグツ煮込まれたおでん。なんと勝手にとって食べたものを自己申告で精算するという性善説に基づいたスタイル

豚汁ラーメン、とうか豚汁がおいしかった(笑)
おでんも関東とは味付けが全く違うけど、甘い味付けでおいしい。しかも、これらが安いんですよ。豚汁ラーメンなんて400円ですよ!おでんはだいたい一つ100円だし。

こういう店が家の近所にあったら、確かにしょっちゅう通うと思う~

お腹も一杯になったので先へ進むことにして、再び国道161号線沿いの歩道を走ります。
こんな感じの一般的な歩道。琵琶湖側はトラックがビュンビュン走ってるし・・・。精神的にはここが一番の修行だ! コースは途中で国道沿いを離れて、北小松駅の南付近から「びわ湖レイクサイド自転車道」になります。これでやっと落ち着いて走れる レイクサイドの名にふさわしく・・・ない。。。全くレイクサイドじゃない!JRの高架下を走ることが多いのでレイクサイドじゃなくレールサイドにしてはどうだろうかw

「びわ湖レイクサイド自転車道」・・・
その名を聞いた誰もが琵琶湖の景色を眺めながら走っちゃうサイクリングロードを想像するに違いない。えぇ、僕もそうでしたよ。

しかし、驚くべきことにこのレイクサイド自転車道は、ほとんどレイクサイドを走らないという、自己矛盾を抱えたコースなのです!
何でこんな名前付けたんだ・・・

「びわ湖レイクサイド自転車道」は大津市北小松から琵琶湖大橋を渡った対岸守山市今浜町まで続く20.5kmのサイクリングロード。
今回は琵琶湖大橋より先には行きませんが、このルートを利用することで琵琶湖の北側だけをグルッと回ることも可能です。
あまりにも琵琶湖沿いを走らないのでコースを外れて近江舞子中浜水泳場方面へ向かうも途中で砂の道になり断念。 もう諦めてレイクサイド自転車道を走るよ。と思ったら、田んぼの中を走るなかなかの風景♪ 志賀駅からしばらくの間は琵琶湖沿いを走ることができる貴重なチャンス!
志賀駅から琵琶湖沿いを満喫してきましたが、次の駅である蓬莱駅で再びお別れ。短いレイクサイドでした(笑)
んで、蓬莱駅から先は線路沿いと街中をコチャコチャっと曲がりながら走ることになるので、コースアウトしないように注意しなければなりません。おまけに案内看板が微妙に不足しているのでわかりにくいという・・・
和爾駅(わにえき)の南側で線路沿いを離れて住宅地の方へ。正しいルートを走るには「勘」が頼りとなりますw 有名な小野妹子の墓があることに気づいて来てみた。この丘の向こうにある唐臼山古墳がお墓だそうですが、登り越える気力がない~ 琵琶湖大橋の手前で再び琵琶湖沿いに!写真は真野浜水泳場

長浜をスタートしてから90km強。今日のコースは120kmくらいの予定ですからコースも終盤です。

全然レイクサイドじゃないびわ湖レイクサイド自転車道と琵琶湖大橋のところでお別れし、堅田の集落へ向かいます。
琵琶湖の狭窄部に位置する堅田は古くから水運の要所&自治都市として栄えていました。室町時代には領主である延暦寺の意向に背いて勝手に通行税を取ったりしていたことが原因で延暦寺によって焼き討ち(堅田大責)されたりしますが、その後、延暦寺に多額のみかじめ料を払うことで延暦寺と和解し再興、その後も江戸時代にも特権を認められていたとか。

それにしても、信長に焼き討ちされた被害者の延暦寺が、実はその前に自分の領内を焼き討ちしていたというのにビックリですね。解決策は金だしw
昔から宗教ってのは・・・
堅田の集落を琵琶湖大橋のところまでくると見えてくるのが「びわ湖大観覧車:イーゴス108」。2001年に閉園したびわ湖タワーの廃墟ということで動いてません・・・ 堅田にあった立派なお屋敷 かつて堅田の地の自治を行っていた殿原衆の館。中には国指定の名勝庭園などがあるみたい。

どうでもいいことですが、「イーゴス108」というのは、当時世界最大級の観覧車で高さ108m&「スゴーイ」を逆から・・・という命名だそうですよ(笑)

堅田の名所として有名なのは出島灯台と浮御堂。
両方とも見に行ったのですが出島灯台は目の前で大規模なお葬式の最中であり、写真を撮れる雰囲気ではなかったので浮御堂だけ紹介します。

浮御堂(うきみどう)は海門山満月寺にある湖上に突き出た仏堂。安藤広重の近江八景「堅田の落雁」でも有名です。
楼門をくぐって一歩境内に足を踏み入れると、目の前に開ける眺望は絵巻を見るようで素晴らしいの一言!
こちらが海門山満月寺。丸みを帯びた楼門が竜宮城の門っぽい!? そしてこれが浮御堂!琵琶湖に向かって小さなお堂が突き出ている様子はなんだか現実離れして不思議な風景なのです 堅田の落雁では、琵琶湖に舞い降りる雁が描かれていますが今日は鳥の姿は見えませんね~

お菓子の「落雁」の名前はこの「堅田の落雁」をもとに付けられたという説があるようなのですが、イマイチつながりが分かりません。

堅田の集落を抜けたら国道161号線とJRの間にある裏道を通って雄琴方面へ向かいます。
そう、雄琴といえば昔取引先に聞いたことがある「大人専用のお風呂屋さん」がいっぱいある関西エリアでも有名なエリアです(笑)

別に寄ったりはしませんが、どんなところなのか一度見てみたいではないですか!
堅田を抜けたら天神川沿いに整備された緑地を通ってJRの高架下まで行きます。 国道の一本裏道をのんびり走っていくと梅之宮神社を発見。酒造の神様だそうですよ そのまままっすぐで雄琴の商店街へ入るも、なんだかとっても静かで歓楽街には見えません

う~む、雄琴が有名な歓楽街というのは聞き間違いだったろうか?
しかたない、ここは勇気を出して地元の人に聞いてみようw 「雄琴の温泉街ってどこですか?」とあくまでさりげなく(笑)

見事に怪訝な顔されました・・・

んで、教えてくれたのはまさに「温泉旅館がある辺り」だったのですが、我が目的地である(すでに目的が・・・)アレは、本来の温泉街のすぐ隣にありました!
落ち着いた温泉街の南側に怪しい色合いのビルがひしめき合っている一角を発見!アレだ間違いない その名も「シルクロード」。名前からして田舎の風俗街の雰囲気満点ですよ(笑) そして勇気を出して突入!呼び込みのおじさま方の目を盗んで、やっとの事で1枚だけ激写!

いや、呼び込みすごかった・・・
僕、自転車で走ってるわけですが、「ちょっと顔だけでも見てってよ。50分15,000円!」的な感じで道をふさがんばかりの勢い。いやまぁ、普通ここにいる時点で目的は明白なわけですからこっちが悪いんだけど、ちょっとビックリした(笑)

すごいなぁ、吉原もそうだけど、なんというか文化を感じずにはいられない。

雄琴の「街並み」を見ることができて満足(笑)
で、いよいよ本日の最終寄り道スポット「比叡山・延暦寺」」に向かいます。歴史の授業だったり時代劇だったりでたびたび耳にするあの延暦寺をこの目で見れるとは楽しみですね~。関西に来て良かったw
比叡山坂本駅から日吉神社の参道をまっすぐ登っていきます。途中にはたくさんの寺社が並んでいるのですが時間が押してるのでスルー このあたりに古くから伝わる「穴太衆積み」という特殊な石積み法によって造られた石垣だそうです 比叡山へは自転車で登ることができないので、ケーブルカーを使って登ることになります

比叡山の標高は850mくらい。自転車で行けるのなら登ってみたいなぁと。
とりあえず、観光協会で聞いてみたところ「お坊さんにものすごく怒られるから絶対やめてくれ」とのことで、断念してケーブルカーを利用することにしました。といか、改めて考えるとものすごい激坂なので自殺行為だったねw

境内に入る前に比叡山延暦寺について整理しておきます。
比叡山延暦寺は平安時代初期に僧侶最澄により開かれた天台宗の本山寺院。開山以来、日本仏教の中心地であり数々の名僧を排出していることから「日本仏教の母山」とも呼ばれ、世界文化遺産にも登録されている名門中の名門。僕のように宗教に疎い人には織田信長に焼き討ちされた話で有名ですね。

比叡山の山内は「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」と呼ばれる3つの区域に分かれていて山全体が丸ごと延暦寺になっているという広大なお寺なのですが、全部見ようと思ったら半日くらいかかりそうなので、今回は中心となる国宝・根本中堂がある「東塔(とうどう)」の辺りを見て回ります
ケーブル延暦寺駅を降りて歩くこと500mくらい。やっと山門にたどり着きました。拝観料金は550円なんですが、おつりを10円玉5枚でくれました。これはお賽銭用か!? まずは一番見たかった根本中堂。比叡山の本堂にあたり延暦寺の中心となる場所です。中に入ることができるのですが写真撮影は禁止です 根本中堂に対する山門にあたり階上に文殊菩薩を安置する文殊楼。16時までは中に入れるのですが今日は間に合わなかった!
開山は824年ですが、以来何度か戦火に見舞われたため現在残っている古い建物の多くは織田信長の死後に豊臣秀吉や徳川家康によって再建されたものです。
また、根本中堂には最澄の時代から燃えているという「不滅の法灯」がありますが、これもやはり信長による焼き討ちのときに途絶え、その後山形県の立石寺に分灯されていたものをこちらに移したものとなっています。
1634年に建てられたという大講堂。もともとは東麓・坂本の東照宮の讃仏堂であった建物を移築したものです。 比較的新しい阿弥陀堂(1937年)と法華総持院東塔(1980年) 鐘楼は自由に突くことができるので僕も突いてみた♪

東塔だけでも他にたくさんの建物があるのですが、紹介しきれないのであとで別記事にて書くかもしれない(笑)
僕は元々、神様仏様には信心薄い人ですが根本中堂に雰囲気はものすごく厳かで自然に頭が下がる感じでしたね~。やはり日本仏教の総本山はひと味違うなと。

さて、本日やるべきことはこれでおおむね達成しましたが時間はすでに17時を回っております。
できれば日が暮れる前にJR大津駅に帰りたいので残りあと10kmちょっと、巻いていきましょう。
JR比叡山坂本駅まで戻って再び高架下を走ります。この辺りにくるともはや琵琶湖とは全く関係が感じられない「ぐるっとびわ湖サイクルライン」 JR大津京駅でやっと線路沿いを離れて琵琶湖方面へ行きますが、今度は国道161号線を走るので車が多くて大変~ 琵琶湖疎水の取水口で一休み。写真奥をよく見ると琵琶湖花噴水が大きなアーチを描いています。
琵琶湖疎水は琵琶湖の水を京都方面へ給水するために明治時代に掘られた水路です。
当時の遺構がたくさん残されててかなり面白そうなので、今度別の機会にゆっくり探検したいと思います♪
なんだか豪華な客船が停泊して煌びやかな大津客船ターミナル。ディナークルーズとかやってるみたい そして昨日琵琶湖沿いをスタートした「なぎさ公園」に到着!これにて琵琶湖一周完遂しましたよ。 JR大津駅に戻ったときにはすっかり日が暮れて真っ暗に。今日はちゃんとヘッドライト持ってきたよw

ということで、琵琶湖1周サイクリングもこれにて終了です~
アチコチ寄り道したので2日間フルに走ってやっとの事で200km強ですが、ロード乗りの方とかは1日で1周するとかしないとか(笑)

でもね、琵琶湖の周りには歴史の時間に習った有名すぎる寄り道スポットや歴史を肌で感じることができる場所がたくさんあるので、ゆっくりと時間を取って散歩するのがおすすめです♪今回寄れなかった場所もまだまだ沢山あるみたいだしね~

琵琶湖1周、面白かった!
今度はテーマを決めて狭いエリアを走りに来たいな~

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この記事へのコメント(2件) |コメント入力欄へ
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忍太2010年9月25日 01:31返信

いつかは俺も日本一大きい湖を走るぞ。

ところで淡路島一周はいつ頃の予定?

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ina2010年9月25日 10:57返信

>忍太さん
一応予定としては10月の3連休の土日辺りでどうかな~と思ってるのですが、一緒に行きますか?

どなたか行かれるようなら日付合わせるようにしましょうか。

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