[西国三十三箇所] 大和中央自転車道&六番~八番

[西国三十三箇所] 大和中央自転車道&六番~八番奈良県の大和中央自転車道を走って西国三十三箇所の六番・壺阪寺~八番・長谷寺まで廻りますよ。

走行日 2011年2月26日(晴)
走行距離 73 km
使用した愛車 バイクフライデー・ポケットロケット
コース概要 近鉄平端駅→大和中央自転車道起点→飛鳥川→今井町→神武天皇陵→橿原神宮→大和中央自転車道終点→近鉄橿原神宮前駅→六番壺阪寺→高取城跡→壺阪寺奥の院 五百羅漢→町屋の雛めぐり→近鉄飛鳥駅→高松塚古墳→七番岡寺→石舞台古墳→飛鳥葛城自転車道起点→飛鳥寺→蘇我入鹿の首塚→水落遺跡→藤原京跡→番外・法起院→八番・長谷寺→近鉄桜井駅

今日は温かい良い天気らしいので、先月走った西国三十三箇所・二番~五番の続きとか走っちゃおうかなぁと。
六番から先はどこら辺にあるのかな?と、西国三十三箇所の地図を眺めてみると、ふむふむ、奈良県の中央辺りにあるのか。そういえば、この辺りには大規模自転車道もあったはずだよな~。

調べてみたところ、この付近には「奈良自転車道」「飛鳥葛城自転車道」「大和中央自転車道」という3つの自転車道があり、ちょっとサイクリングロードから外れる形になるけど札所6~9番を巡ると同時に奈良県の自転車道も堪能できそうです。

よ~し、今回はサイクリングロード&札所巡りの両方を楽しんじゃうぞ!
コースはまず最初に大和中央自転車道を南へ向かい六番・壺阪寺をお参り、そこから戻って七番・岡寺に行ったあと一旦飛鳥葛城自転車道に入り、途中で脇にそれる形で番外・法起院と八番・長谷寺を巡ります。

ホントはこのあと再び飛鳥葛城自転車道に戻って終点まで走り、続いて奈良自転車道を制覇して九番・南円堂・・・と考えていたのですが、いつも通り寄り道しすぎて時間が足りなくなったため今回は八番・長谷寺までとなりました(笑)

っていうか、実際走ってみたら長谷寺までで73kmもあったので、このくらいでちょうど良かったのだけど。。。

そんなわけでスタート地点は、大和中央自転車道の北端。
最寄り駅は近鉄ファミリー公園前駅なのですが、電車の乗り継ぎが悪いので一つ手前の近鉄平端駅まで輪行してきましたよ~
近鉄平端駅。乗り継ぎの関係で一つ手前で降りたのですが、ここからスタート地点であるファミリー公園前駅まで真っ直ぐ向かう道がない!意外に不便 やっとたどり着いた大和中央自転車道の北端。浄化センター公園の南側を流れる大和川沿いからスタート! このまま川沿いに行くのかな~、と思ったら自転車道はすぐに大和川を離れ一般道へ。変化があって良いけど~

あの~、駅の名前は「ファミリー公園前駅」で、目の前にある公園は「浄化センター公園」っておかしくないですか(笑)

それはそうと大和中央自転車道。
一旦、一般道を走る形となりましたが、しばらく進むと再び川沿いに。ここから近鉄八木西口駅付近までは飛鳥川沿いをのんびり走ります。
ここ三宅町はどうやらスポーツ用品の製造が地場産業らしいです。野球用グローブやスパイク、スキー靴などで有名だとか 飛鳥川沿いにはこういった小さな祠がたくさんあります。平地の真ん中を流れている川だけに昔から生活に密着していたのでしょう かつてこの辺りは飛鳥川の流れが停滞して出来た池で「蛇池」と呼ばれていた、と書かれた案内板がありました。

飛鳥川は奈良県高市郡明日香村の南境付近を源流とし、奈良盆地南部を流れたのち大和川中流部に注いでいます。
古くは万葉集にもその名が登場するという歴史ある流れで、"藤原の都に住んだ人たちと同じ流れを見ているのか~"と悠久の歴史に思いを馳せますが、しかし、残念ながら現在の飛鳥川の流れはお世辞にもキレイとは言えません(涙)

もったいないね~
大和川船運における飛鳥川の船着き場であった「但馬のはま」付近。大阪からここまで船で荷物を運んでいたというからスゴイ! そういわれてみれば周囲には立派な蔵をいくつも構えた豪邸がたくさんあります。船運と関係あるのかな~? 引き続き飛鳥川沿いを進むと、梅が少しずつ開花中。だんだんと春の足音が聞こえてきましたね♪
途中、道を外れれば歴史的な寄り道スポットがたくさんあるようなのですが、今日の目的は西国三十三箇所巡りなのであまり浮気してはいけません(笑)
が、しかし!ここでどうしても立ち寄りたくなっちゃう、楽しげなスポットが登場します。
さりげなく立派な煉瓦造の橋脚をかまえるJR桜井線の高架をくぐると・・・ 目の前に建ち並ぶ古民家群!この付近は今井町といい、江戸時代に形成された寺内町がたくさん残されているんですよ~ ここはいつの時代だ!街一つまるごとタイムスリップ的な錯覚に陥るほどの古民家群

もともと興福寺一乗院(現在の称念寺)の荘園であった今井町は、室町時代には浄土真宗本願寺一門のもと寺内町(寺院の境内地に築かれた集落)として発展します。
その後、本願寺との争いに勝利した織田信長の軍門に下り、豊臣秀吉に優遇されたこともあり江戸時代には天領として大いに栄えたといわれています。

かつては「大和の金は今井に七分」と言われたほどの大商業都市でしたが、昭和に入って鉄道路線から外れたことで、繁栄は下り坂に・・・

そんな歴史ある街並みが残されているとあっては、寄り道しないわけにはいきませんね(笑)
昭和30年代頃から街ぐるみで保存活動をしてきたというだけあって、どのお宅もホントキレイに保存されています。 こちらが寺内町を形成する元になったという「称念寺」。このお寺のもと人口4000人が暮らす一大都市が形成されていました。 旧高市郡教育博物館を利用した今井まちなみみ文化交流センター「華甍」。今井に関わる様々な資料があるそうです。

今井町、すげぇ!
こんなに古い街並みが広範囲にわたってしっかりと保存されているのは初めて見た!

重要文化財に指定されているお宅や見学者を受け入れているお宅、さらには案内のボランティアの方がいたりしてここだけで1日楽しめそうなコンテンツ量ですが、書き始めるとそれだけでレポートが終わっちゃうので、あとは実際に今井町に行ってみてください(笑)

さて、後ろ髪を引かれつつ今井町を後にします。
今井町を出たところで飛鳥川とはお別れし、神武天皇陵~橿原神宮へと続く広大な緑地の中を走ります。
初代天皇である神武天皇の霊廟であるとされる神武天皇陵。なんだけど、そもそも神武天皇の存在自体に「?」がついていたりもして、それなら何を根拠にこんな巨大な霊廟を・・・。政治って凄いなぁw 神武天皇の宮があったとされる場所に明治23年に作られた橿原神宮。神域は50万㎡という途方もない面積。 こちらが外拝殿。奥にある本殿は京都御所の腎所を移転したものだとか。

それにしても・・・、明治23年に神武天皇を奉る柏原神宮が出来たり、大正9年には明治天皇を奉る明治神宮が出来たりと、意図的に天皇を神格化して政治に利用しようとしていた感じがしますね~。相当古くから重要な権威として存在していた天皇ですが、神格化されたのは幕末から明治以降です。その後、昭和に入った後は、軍部のプロパガンダとして現人神としての天皇が利用されることになります。

なんというか、政治と宗教っていつでも。。。

なーんて、小難しいことを考えているウチに大和中央自転車道の終点が近づいてきました。
橿原神宮からちょっとだけ南へ走り、近鉄橿原神宮前駅のところで自転車道ともお別れです。
近鉄橿原神宮前駅の手前で大和中央自転車道は終了。ここから先は一般道を走って本来の目的地である西国三十三箇所六番・壺阪寺を目指します。 駅前にはレンタサイクルもありました。結構アチコチにあるみたいで付近の観光スポットを巡るには便利♪ 国道169号をひたすら南へ!飛鳥駅を越えた辺りからだんだんと登りになってきましたよ・・・

本来の目的の前に大和中央自転車道を堪能しすぎました(笑)
あまりのんびりしすぎると時間が足りなくなるので、ここからはちょっと巻いていきたいと思います。

国道169号を写真も撮らずに一路南へ!
近鉄壷阪山駅を過ぎて1.5km程坂を登った清水谷交差点を左折し、西国三十三箇所六番壺阪寺を目指します。
油断した!まさか壺阪寺へ至る道が2km以上ある激坂だったとは!地図をよく見たらとなりに「壺坂峠」とか書いてあるじゃないですか! やっとの事でたどり着いた西国三十三箇所六番壺阪寺。拝観料が600円って高い!御朱印と合わせたら900円もかかる・・・ 慈眼堂。中にはブッダの生涯を描いた絵が飾られています。たしかインドでも見たような・・・

西国三十三箇所六番・壺阪寺は、703年の創建で清少納言の「枕草子」にも取り上げられているというお寺です。
本尊は十一面千手観音菩薩で礼堂の裏にある八角堂内に奉られています。

眼病に御利益があることで知られ、境内には日本初の盲老人ホームが併設されているのですが、お寺の中に老人ホームがあるっていうのはどうなのかと(笑)
室町時代に建立され国の文化財に指定されている「三重塔」と「礼堂」 こちらが本尊の十一面千手観音菩薩。珍しく写真撮影禁止ではなかったので遠慮無くパチリ 境内にはここ数年の内に建てられた建物や石仏がたくさん。こちらは平成19年に開眼した大釈迦如来石像
インド・アジャンタ石窟寺院をモデルとして延べ12万人の日本・インドの人々によって彫刻されたという大石堂。金持ってるな~ そして天竺渡来大観音石像と天竺渡来大涅槃石像。凄まじくデカイ。金持ってるな~w あれ?壺阪寺を出た後も登ってるよ・・・。理由は↓

あの。。。涅槃像って何で寝てるのかと思っていたのですが、これって全ての説法を終えて入滅しようとしている釈迦の様子を模したものなんですね。知らなかった(笑)

そんな人生における大きな謎が明らかになった今日この頃ですが、ここで重大な悩みが。
壺阪寺に至る道中に見てしまった看板「日本三大山城 高取城跡」!!

くふぅ・・・、どうしてそうやって僕を誘惑するかね~
「三大」とか言われたら行きたくなっちゃうじゃないか。というわけで、ここで下ればいいものを標高583mにあるという高取城跡を目指してさらに坂を登ります。
壺阪寺から2kmちょっとの激坂を登った先は行き止まり。ここから先は歩いて高取城跡を目指します。 斜面から水が湧いているらしく複数の井戸跡らしきものが。なかでも木の根元にある井戸が面白い 現在残されているのは石垣のみですが、南北朝時代に作られ日本では最大規模の山城だったそうです

石垣の上はなかなかの絶景スポットで、ハイキングの方が沢山いました。
そんな中、自転車ウェアでビンディングが石にぶつかる音を響かせながら歩く僕は、異端以外の何者でもなかった(笑)

さぁ、これで心置きなく下れる・・・。のですが、時間はすでに12:45だ。
予定通りのコースで奈良にある九番・南円堂に行くには、あと70km以上走らなきゃいけないのですが、これは絶対無理。というわけで、今日の目標を八番・長谷寺までにあっさり変更しゆっくり観光することにします。
坂を下る途中で壺阪寺奥の院 五百羅漢にも寄り道。この看板の脇にある小径を100mほど登ったところにあります。 なんか真新しい石仏がたくさん・・・。まさかここも最近出来た新スポットか!?と一瞬がっかりしましたが・・・ その奥に本物の五百羅漢がありました。この辺りにあるアチコチの岩肌にたくさんの石仏群が刻まれています。

五百羅漢、暗いときに見たら超怖いだろうな・・・

続いて、西国三十三箇所七番・岡寺に向かいましょう。
岡寺は中央集権国家誕生の地として史跡などがたくさん残されている魅惑のスポット明日香村にあり、迷い込んだが最後、寄り道地獄で出られなくなるかもしれない恐ろしい場所なのです(笑)
と、その前に。来る途中国道と併走する旧道に「町屋の雛めぐり」っていう気になる看板があったんですよ。そこで、国道手前で脇道に入り清水谷の集落へ向かいます レトロな家屋が並ぶ素敵な街並み♪その中にあるアチコチのお宅で雛人形を展示するイベントが開催されていました。しかし人はまばらで。。。ゆっくりみれて良かったけどw 看板マニアがみたら喜びそうなレトロな看板のオンパレード!

往路は巻きを意識して国道から来ちゃったのですが、この辺りは並行して走っている旧道がお奨め!
キレイな水路が流れる古い町屋の家並み、その景色だけでも一見の価値有りです。こういう風景ってもっと評価されても良いと思うんだけどなぁ~

ゴールを八番・長谷寺にしたので余裕で寄り道だ!
そして、この余裕が後ほど・・・
近鉄飛鳥駅まで戻ってきました。ここから県道209号で寄り道スポット満載・日本のふるさと明日香村へと向かいます。 県道209号に入ってすぐの所に7世紀末の極彩色壁画で有名になった高松塚古墳があります。壁画の模写もみれるみたい そして明日香村の中心部へ到着~。この付近もレトロな街並みが素敵♪

明日香村の中心部を東側に抜け、短い激坂をグイッと登った先にあるのが西国三十三箇所七番・岡寺です。
岡寺の創建は約1300年前の663年とされ正式名称は「龍蓋寺」といいます。境内にはかつてこの地を荒らし農民を苦しめていた龍を法力を持って封じ込めたとされる「龍蓋池」があり、これが寺名の由来とされています。

厄除けの御利益があることでも有名。
ちなみに拝観料が300円かかります。
激坂を登ったところにある仁王門。重要文化財に指定されている桃山様式の建築で、庇の下には龍の彫刻が付けられています 入ってすぐの所にある三重の塔は昭和61年の建立と比較的新しい。裏側から見る奈良盆地の眺めが絶景。 厄除鐘。つけば厄が祓われる!?
岡寺の本尊は如意輪観世音菩薩像。高さ4.85mで土でできた塑像としては日本で最大の大きさ。
日本三大仏にも数えられ弘法大師が日本・中国・インドの三国の土で造ったとされているとか。ホンマかいな(笑)
1805年建立といわれる本堂。↑の如意輪観世音菩薩像は本堂の中にありガラス越しに自由に拝観することができます。 さらに奥の院に続く道が。こちらは瑠璃井という井戸で、実際に井戸から水を汲んでお地蔵様にかけることができます。 さらに奥に進むと稲荷社の隣に小さな祠があり、これが奥之院石窟です。岩をくりぬいた洞窟の奥に石仏が納められています

先にも書いたとおり明日香村には歴史的な寄り道スポットが山ほど有ります。
日本書紀とかに詳しかったら相当楽しげなのですが、僕はまぁ歴史の教科書で見たことあるかなくらいの知識で(笑)

ふと気がつけば、14:30近いので飛鳥葛城自転車道で次の八番・長谷寺へと向かいつつ、途中で有名っぽいところに寄り道していきましょう~
蘇我馬子が埋葬されているといわれ日本最大級の大きさの方墳「石舞台古墳」。石室を構成する岩の総重量は2300tもあるとか。 飛鳥葛城自転車道は石舞台古墳南側の飛鳥川沿いからスタートしています。 低い山に囲まれた盆地を流れる飛鳥川沿いにのんびりと続いていきます。

飛鳥川沿いの風景がいいね~。
と、感慨にふけっていると左手(西側)にこんもりとした小さな山が見えてきます。これは日本書紀の中にも記述があるという甘樫山という山で遊歩道や展望台なども整備されているみたい。

甘樫山にも心引かれますが、ここで反対側(東側)に自転車道を離れて飛鳥寺へ行ってみようと思います。

飛鳥寺は蘇我馬子が6世紀末(596)に建立したといわれる日本で最初の本格的な寺院です。
現在は安居院という小さな寺院のみとなっていますが、創建当時は壮大な伽藍を擁していたことが発掘調査で明らかになっています。また、本尊の飛鳥大仏は推古天王が造らせた日本最古のもの。
こちらが現在の飛鳥寺。もっと大きいのを想像していたので見つけるのに苦労しました。 飛鳥大仏が納められている本堂。境内に入るのは無料ですが本堂に入るのに拝観料が250円かかります こちらが日本最古といわれる飛鳥大仏。推古天皇が聖徳太子&蘇我馬子と計画して造ったものだとか。
飛鳥大仏、日本最古という触れ込みとは裏腹に、写真撮影も可だし拝観料を払えばものすごく近くで見ることができます。
顔の表情というか造りが他の大仏とちょっと違うのも見物。
飛鳥寺の東側には、大化の改新で中臣鎌足と中大兄皇子によって討たれた蘇我入鹿の首塚といわれる五輪塔がひっそりと建っています 中大兄皇子によって造られた水時計があったとされる水落遺跡。こんな時代から時計があったのか! 再び飛鳥川沿いの飛鳥葛城自転車道に戻って国道165号と交差するところまで走ります。

飛鳥葛城自転車道は一般道と一体化したりしながら進んでいく飛鳥川沿いの気持ちいいサイクリングロード。
国道165号とぶつかったところで飛鳥川と離れて西へ向かってしまいますが、もうこのままサイクリングロード走って終了で良いよ~、と思うくらい(笑)

しかし僕には、西国三十三箇所を巡るという使命があるのだ。
国道165号線のところで飛鳥葛城自転車道とは反対の東へと曲がり、八番・長谷寺のある桜井市へと進路をとります!

って、気がついたら15時過ぎてる~。
ここから長谷寺までは12kmくらい有るんだよな・・・。通常、御朱印をもらえるのは16:30とか17:00までですから時間的にギリギリかも。おかしい。後半のコースを全部次回にしたのにどうしてこんなことになった(笑)
律令制に基づく日本で最初の本格的な都「藤原京」跡。694年から平城京に遷都(710)するまでの16年間国の中枢を担った場所は、今は広大な公園になっています 国道165号をひたすら漕いで東へ!途中脇道に入るとこんな感じのレトロの風景が広がっているので、風景を楽しみつつ走ります。 桜井市の名物「三輪そうめん」。アチコチにお店があるのですが、こちらのお店の自慢は「どっちの料理ショー」っていつの話だよw
長谷寺目指して国道165号線を一直線。
ちなみにこの165号をそのまままっすぐ行くと伊勢神宮の方にたどり着きます。道々にそんな表記があったりして、こないだ伊勢に行ったなぁと思いながら走っていると前方に長谷寺の参道が見えてきました!
この分岐を左に入れば長谷寺の参道となります。いや~、なんとか間に合いそうな時間についたよw 長谷寺の参道はこれまた良い感じに鄙びた建物が並んでいます。「たばこ」の看板とか懐かしい~ お気づきの方もいるかと思いますが、じつは昼食を食べてません。目に付いたお店で買ったまんじゅうの中には赤飯が!?

さて、西国三十三箇所八番・長谷寺へと向かいたいところですが、その前に!
西国三十三箇所は三十三箇所という名前なわけですから、三十三箇所であるべきだと思うのですが、コレが困ったことに+3箇所の番外なんてのがあり、その内の一つが長谷寺のすぐそばにあるのです。なぜ3箇所追加されたのか?大人の事情か??

疑問はつきないところですが、番外の一箇所目が法起院です。
法起院は、閻魔大王による夢のお告げで三十三箇所巡りを開発した徳道上人が晩年隠居した場所で、まさに三十三箇所巡りゆかりの場所と言っても過言ではない寺院です。なるほど、それで番外か。

ちなみに徳道上人が開発した三十三箇所巡りですが、当時はさっぱり受け入れられず、それから270年後に花山法皇が再開したことでブレイクしたそうです。
長谷寺の参道の中心部、ちょっと奥まった場所にひっそりと建っている法起院。境内には上人の御廟とされる十三石塔などもあります。 徳道上人像が納められている本堂。こんないいツーリングのネタを開発してくれてありがとう! こちらが徳道上人像。上人自らが掘ったものだといわれています。

法起院をでて200m程の坂を登ると本日の最後の札所となる「西国三十三箇所八番・長谷寺」に到着です。
長谷寺は686年に飛鳥の僧・道明が天武天皇の病気平癒を祈願して銅版法華説相図を安置したのが始まりといわれ、その後↑の徳道上人が十一面観世音菩薩を奉ったとされています。

現在本尊として奉られている十一面観世音菩薩像は室町時代に建立されたもので、右手に錫杖・左手に水瓶を持ち、蓮台ではなく大盤石にたっているという珍しい姿。この本尊を納める本堂は木造建築物としては東大寺大仏殿や吉野山蔵王堂に次ぐ規模といわれ国宝にも指定されています。
長谷寺の入口。仁王門までがかなり遠いことから広大な面積を占めていることが分かります。 明治18年に再建されたものだという仁王門。で、仁王門を抜けると・・・ 本堂まで長さ200mも続いている登廊が登場!階段の数は399段もあるらしい~。江戸時代に造られたものだそうです
長谷寺は花の寺として知られ登廊の周囲に植えられた千株の牡丹の他に四季折々の花が有名・・・、らしいのですが今は冬でほとんど花はなく。。。
あ、ちょっとだけ梅が咲いてたかな(笑)
登廊に沿って並んでいる灯籠。 登廊を登り切ったところにあるのが、本尊が奉られている本堂。確かにものすごくデカイ! こちらが本堂の中身。本尊である十一面観世音菩薩像を直接拝観できるのですが、写真は不可とのことなので、ここまで~
十一面観世音菩薩像の高さは10mということですが、コレがまさに見上げるほどにデカイ!
近江国高島から来た楠の霊木をつかって3日間で作り上げられたといわれ、全国にある長谷寺の根本像となっています。いや、3日は言い過ぎだろう(笑)
沢山の小さなお地蔵様が並んでました。この奥には縁切りの御利益がある不動堂があります。煩わしい人間関係を絶つ御利益があると書いてあったのですが・・・w 長谷寺が建立された草創の場所に建つ本長谷寺。 五重塔。境内には他にも立派な建物がたくさんあるので全体をゆっくり散歩するのがお奨め~

と、お参りを終えて時間を見るとすでに16:30を廻っていました。
冬の間(10~3月)の長谷寺の参拝時間は16:30までなので若干余裕はあるもののギリギリセーフという感じでしたね(笑)

あとは、日が暮れる前に電車に乗って帰ればいいので、比較的電車の便が良さそうな近鉄桜井駅まで走って帰路につきたいと思います。
あ、まだお腹が空いてたので参道に並んでいたお店でとち餅を買って食べてみた。焼きたてはふんわり柔らかくて旨い! 再び国道165号を走って桜井駅近辺まで戻ってきました。なんとなくうらぶれた雰囲気~ 近鉄桜井駅から輪行して帰ります。JRと近鉄の両方が停車するので便利っぽい

というわけで、当初の予定コースは走りきれませんでしたが大和中央自転車道と西国三十三箇所六番~八番+番外を巡るコースも終了となります。
このコースでも73km程走っているので途中で札所に立ち寄る時間を考えると最初の計画が無理だったというか、そもそも大和中央自転車道を走らずに壺阪寺の最寄り駅から始めるべきだったというか・・・

まぁ、でも今井町を始め、これまで見たことない景色をたくさん見れたのでそれが一番ですよ♪
続きはまた次回走ればいいことだしね~

次回は、JR法隆寺駅をスタート地点にして、奈良自転車道を走ってから九番・南円堂に行くコースにしようかな~と!

 
この記事へのコメント(4件) |コメント入力欄へ
user-pic
gen2011年3月 1日 07:54返信

このあたりは日本という国の成り立ちの根幹と言えるエリアで、そういう意味では自転車趣味の範囲を超越したすごいツーレポですよ。
まあしかし、そんなこと意識しなくても普通に走って楽しいところですね。

>顔の表情というか造りが他の大仏とちょっと違うのも見物。
学校で習ったでしょう?「アルカイックスマイル」

user-pic
ina2011年3月 1日 08:45返信

>genさん
ホントならは面白いです!
今回廻りきれなかったのでもう一度行きますが、次は、9番と奈良探訪でもいいかなと~

>アルカイックスマイル
昔、修羅の門という漫画で片山右京が浮かべていた以外に記憶がありませんが(笑)

user-pic
ふみまろ2011年3月 3日 09:46返信

この辺りに神社仏閣が多いとは思っていましたが、毎回、inaさんのレポートには感心させられます。

user-pic
ina2011年3月 3日 13:32返信

>ふみまろさん
このあたり、ほんといいですよ~
神社仏閣以外にも遺跡とかたくさんあるし、レンタサイクルが充実しているので(ママチャリだけど)、のんびり散歩するには最適だと思います。

いや~、関西いいところいっぱいありすぎて困っちゃいますw

返信する