微妙に紅葉が残る箱根ヒルクライム

微妙に紅葉が残る箱根ヒルクライム12月、微妙に紅葉が残る箱根路を自転車でヒルクライムしに行ってきました

走行日 2010年12月19日(晴)
走行距離 68 km
使用した愛車 その他
コース概要 JR小田原駅→国道1号(東海道)→箱根湯本→旧東海道(県道732号)→鎖雲禅寺→箱根大天狗山神社→女転し坂→割石坂→畑宿→七曲り(橿木坂)→樫の木平(見晴らし茶屋)→追込坂→甘酒茶屋→箱根旧街道石畳→お玉ヶ池→芦ノ湖→箱根峠→湯河原峠→十国峠→熱海峠→熱海市街→石川屋→国道135号→JR早川駅→小田原漁港→JR小田原駅

橿の木の さかをこゆれば くるしくて どんぐりほどの 涙こぼれる

かつて東海道の難所として知られた箱根、この句は箱根越えの中でも特にキツイと言われた橿木坂で詠まれた一句です。

そんな修行モードバリバリな箱根越えの旅に、2年前の夏(旧東海道の難所「箱根の山」で修行!)に続いてやってきましたよ。
前回は芦ノ湖までのヒルクライムの後、椿ライン経由で湯河原方面へ下ったのですが、今回は芦ノ湖から箱根峠、湯河原峠、十国峠、熱海峠と走って熱海方面へと下るちょっと大きめの周回コースを走ります。
集合はJR小田原駅。見送りに来てくれたmartyさんに撮影されながら箱根へ向けて出発! 箱根ヒルクライムではおなじみの小田原城をチラ見したあと、国道1号線で箱根湯本まで登ります。 箱根湯本で国道1号線を離れて旧道へ。かつての東海道に近いルートはこちらの旧道です。

自転車で箱根を登るコースとしては、車が多いけど比較的緩やかな国道1号線と、車は少ないけど坂が厳しい県道732号線(旧道)の二つのコースがあります。国道1号線側から上るコースについては以前(箱根の山は天下の険!?なオフ)登っているので、こちらを見ていただければ♪

箱根湯本までは緩やかな登りを軽快に登ってきたのですが、旧道に入るとグッと坂がきつくなりますよ~
箱根湯本の温泉街を眺めながら激坂を登ります。途中には弥坂湯という共同浴場があったりしてそそられます。 この辺りはまだ標高が低いのでチラホラと紅葉が残ってて目を楽しませてくれます しばらく走ると温泉旅館はなくなり寂しい雰囲気に。ふと見ると道端の案内看板に葛原坂と書かれていました。

箱根ヒルクライムは一見すると一続きの長い登り坂ですが、昔の人は坂の部分部分にそれぞれの特徴にあった名前を付けていたようです。
ここ「葛原坂」もその一つで、残念ながら案内看板にも坂の名前の由来は書かれていなかったのですが、今でも周囲には葛の葉が生い茂っているそうです。

箱根ヒルクライムはまだ始まったばかりですが、ここからポツリポツリと見所が続きます。
須雲川ICを過ぎたところにある鎖雲禅寺。夏は涼しげに見えた滝が真冬の今日は痛々しい! 鎖雲禅寺の境内には箱根霊験躄仇討(はこねれいけんいざりのあだうち)という歌舞伎浄瑠璃の主人公のお墓もあります 主人公の一人「初花」は夫の仇討ちに命を捧げた貞女として知られ、お墓の隣には初花堂というお堂も。
この付近のもう一つの見所というかおもしろスポットといえば「箱根大天狗山神社」
いわゆる新興宗教だと思うのですが、毎回行くたびに施設の規模が拡大しており、巨大な施設と金ピカの外観がなんともはや・・・って感じ(笑)
旧道にそってかつての東海道が残されていて、ちょうど良い登山コースにもなっています。 箱根大天狗山神社の鳥居をよく見たら、なんか天使みたいなのが・・・。もう何でもありですねw 女転し坂との案内看板。坂が急すぎて婦人が落馬して亡くなったことからこの名が付いたそうです。
たしかに鎖雲禅寺から箱根大天狗山神社の鳥居を経由して女転し坂へと至るこの付近はかなりの激坂~
しかし坂はまだまだ続きますよ!
割石坂
日本三大仇討ちで知られる曽我五郎が富士の裾野へ仇討ちに向かう途中、刀の切れ味を試したといわれる場所。
箱根の名産品「寄木細工」の創始者である「石川仁兵衛」の墓の看板が見えたら・・・ 東海道の宿場「畑宿」に到着。写真はかつて本陣茗荷屋が有った場所ですが、今は跡形もありません。

畑宿には寄木資料館とかおみやげ店とかがあったりするので休憩にはピッタリ。
が、先行するKさんと忍太さんの姿が影も形も見えないので仕方なく前に進みます(笑)

そしてここから箱根ヒルクライムの中でも最も難所と言われる七曲りがスタートします・・・
これより1.2kmの間七曲がり、登り勾配10%とか心臓に悪いことが書いてあります。 冒頭で紹介した句に詠まれた箱根最大の難所「橿木坂」。ちなみにこの付近の階段195段もあるとか!? 七曲がりを登り切ったところで振り返るととんでもない勾配。昔の人はこれを歩きで登ったのか・・・

「七曲り」という坂の名前に騙されてカーブの数を数えてしまいそうになりますが、残念なことに「7回曲がっている」という意味ではありません。
「七曲り」というのは登山用語で「道が幾重にも折れ曲がっているところ」という意味で、実際には1.2kmの間で12回曲がっているので騙されないようにしましょう(笑)

七曲りの坂が終わったら若干勾配が緩やかになり、しばらく走ると甘酒茶屋に到着です。
七曲りの坂を登り切ったところにある見晴らし茶屋。その名の通りここからの眺めは絶景なのです。 甘酒茶屋までの緩い坂「追込坂」。なんというか名前が・・・。最後の追い込みって事か!? そして藁葺き屋根が素敵な甘酒茶屋に到着。ここから旧東海道の石畳を登る人が多いのか、登山客がたくさん~
甘酒茶屋を過ぎたら芦ノ湖まであとちょっと!
少々急な坂を一つ登って、右手に「お玉ヶ池」を見ながら緩やかに走ります。その後一旦下って登り返したら芦ノ湖を眺める絶景スポットに到着します。
箱根ヒルクライムも終盤。併走する旧東海道跡にはキレイな石畳が残されています。 関所破りをしようとして殺害されたお玉という女性の首を洗ったことからその名が付いたという怖い伝説の「お玉ヶ池」 そして箱根ヒルクライムを制覇すると見れる芦ノ湖の絶景!

いや~、登った登った~。
小田原駅前から距離17km、標高差750mを登ってきました。

ここのところ少々運度不足だったので厳しいかなぁと思っていたのですが、意外なことに以前夏に登った時に比べたらかなりラクチンでした♪う~む、これは冬で気温が低かったからか、それともボチボチやっている自転車通勤の効果か・・・?
芦ノ湖の畔にでーんとそびえ立つ箱根神社の鳥居 冬の空気は澄んでいるので芦ノ湖の向こうに雪をかぶった富士山が見えました! 拡大してもう一枚。雲の向こうに富士山が見えてるの分かるかな~
さて、芦ノ湖まで登ってきてヒルクライムをやり遂げた感が漂っていますが、実は今日の登りはこれで終わりではありません。
本日のコースは、ここ芦ノ湖から国道1号線で箱根峠まで登って、そこから湯河原峠・十国峠・熱海峠へと下っていくという設定なので、ここからさらに標高差で100m強を登ります。
芦ノ湖畔に続く旧東海道杉並木。ホントは中を走りたいけど路面状態が悪いのが残念。 正月の風物詩「箱根駅伝」の折り返し地点のそばに立てられた「箱根駅伝ミュージアム」 国道1号線を登っていく途中にある展望台は、芦ノ湖越しに富士山が見える絶景ポイント~
芦ノ湖から箱根峠までは距離・標高差共にちょっとなのであっという間。
走りながら右手を見るとときどき富士山を見つけることが出来るので、そんなことを楽しみながら走っていたらすぐに到着です。
途中にあった道の駅箱根峠。休憩の必要はなさそうなのでスルー。 道の駅と箱根新道の出入り口を過ぎたら箱根峠に到着~。これで登りも終了か・・・? と思ったら湯河原峠の手前まで緩やかな登りが続いていました(笑)

箱根峠の交差点で国道1号線とお別れして県道20号へ。
ここからしばらくはゆったりと下りながら尾根道を走る快走ルート!

この辺りは右の眼下に相模湾、左の眼下に駿河湾、そして振り返ると富士山が見える、素敵なコースなんですよ~
尾根道を下りながら富士箱根ランドのところで振り返ると、道の彼方に富士山。雲がなければもっとすごい景色が見れそう! そして左手見えるのが駿河湾。 右手に見えるのは相模湾。写真だとちょっと分かりにくいですが天気が良ければ素晴らしい景色なんですよ~

この付近はドライブコースとしても有名なようですが、景色を楽しむならやっぱり自転車が良いですよ♪
車で飛ばして走ったらあっという間だし、なにより絶景スポットで立ち止まるのも自由自在だしね。自転車乗りで良かった!

と、景色を堪能しすぎるとちょっと危険。
車はすごいスピードで走ってくるし、山側の路肩には蓋の無い側溝が続いているので、不注意が文字通り命取りとなります。
湯河原峠からずっと下って来たので「峠」っていう感じは一切しないけど十国峠のドライブインに到着。本当の十石峠はロープウェイの上だそうです そこで裏側(伊豆スカイライン入り口付近)から十国峠に登ってみることにしました そしたらこれがもうすごい激坂!蛇行しながらやっとの事で登りますよ~
十国峠に向かう坂はすごかった・・・
今日はもう登らないと思っていたのでなおさらきつかった・・・
登り切ったところには「姫の沢公園」がありました。山の東側の斜面を全面的に使った大きな公園みたい。 展望台(かと思ったらアスレチックの塔だった)を発見し童心に還って登るおっさん3人。相模湾を眺める景色が素晴らしい! なんとここからも駿河湾が見えます。伊豆半島一望ですね~
姫の沢公園より先は自転車が入れないようなので、ここに自転車をおいて十国峠を目指します。
ちょっと登ると広々とした草原が広がる山頂に到着。ロープウェイの施設の向こうに富士山が見えてますよ♪ 草原の片隅には源実朝の句碑があります。「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」と書かれていました。

ちなみに十国峠という名前は、東は常陸から西の遠江まで10国というのが命名の由来だとか。
まさに十国を眺めることが出来る絶景スポットでした!

さて、再び十国峠を下ってすぐに熱海峠に到着するのですが、ここからの下りが凄まじいことになっているんですよ~
箱根峠&湯河原峠から十国峠のレストハウスまでは、緩やかに下る快走コースだったのですが、ここから先はブレーキから片時も指を離すことができないくらいの激坂下り!
しつこいくらいに「速度落とせ」という看板が続いています。暗技研製のセラミックベアリングが良く廻りすぎて超怖いんですけど(笑) 熱海梅ラインとの交差点付近で一息つけるものの・・・ また再び激坂!最近すっかり見かけなくなった激坂専用避難場所がアチコチにある恐怖・・・

いやいや、この坂はないでしょ~、と、ビックリしました(汗)
熱海峠から熱海市街へ下ってきたわけですが、これを登ることを想像したらゾッとしますね(笑)

熱海市街の近くまで下って来たら、まだ紅葉が残っていてイイ感じ。やっぱり上とは気温が違う~ 来宮駅前を通過して熱海の温泉街へ。新旧様々な温泉旅館が並んでいて面白い。 昭和の初めに京都の宮大工によって建てられたという和菓子の店「ときわぎ」。変わったデザインの和風建築♪
さて、時間的にはだいぶん遅くなりましたが本日のランチスポットです。
今日のランチは、案内してくれている忍太さんが20年くらい前に行ったことがあるという"オムライスが美味しい"ラーメン店「石川屋」です。
こちらが忍太さんお奨めのふわふわとろとろオムライス。1050円と高級ですがかなりボリュームがあります。 こちらは僕が食べたもち豚ラーメン:1100円。懐かしい感じの醤油ラーメンにチャーシューがたっぷり入ってます。 石川屋の向かい側に「風呂の湯・水の湯」と書かれた小さな温泉が。足湯!?
残りは消化コース的な感じで海沿いをスタート地点である小田原へ向かいます。
当初は途中にある真鶴半島をグルッと廻ろうかという話もあったのですが、時間が押してしまったため中止。その代わり真鶴道路には入らず、旧道を登って帰ることにしました
熱海市街を抜けて海沿いに。半島を反時計回りに走ると海の景色が見えなくて面白くない 真鶴半島手前でようやく景色が開けて海が見えてきたよ。 真鶴駅前は微妙にクリスマスの準備が進んでいます。伊豆とクリスマスって微妙にアンバランス感!?
真鶴半島を越えたところで真鶴道路を離れて旧道へ入ります。 海沿いを走る真鶴道路に対して旧道は山の中腹を縫うように走っているため最後の最後でまたヒルクライム(笑) 山の斜面にはミカン畑が続いています。ときおり直売所があって1袋2~300円で売ってたりもします。
ヒルクライムは少々辛かったですが、やっぱり旧道は車が少なくて静かで良いですね。
山の中腹を走っているので相模湾を眺める景色も素晴らしいし♪
ミカン畑が途切れたところからは相模湾を眺める事ができます。海は良いね~、やっぱり。 ふと気がつくと道端に白い花が。これはサクラではないだろうか? 「名物からみもち」という看板を発見。なんだかおいしそうだ。
最後は再び国道135号線に戻って海沿いを小田原へ向かいます。
遙か彼方に見えるのは小田原の街並みか ちょっとレトロな感じがカワイイJR早川駅にちょっと寄り道。 最後は小田原魚港の風景を眺めながら終了となります。

標高差約750mということで、下の方では紅葉、上に登ってからは快晴の富士山を眺めながら走る絶景の箱根ヒルクライムでした♪

やっぱり冬の方が空気が澄んでて景色が良いですね~

久しぶりの箱根でしたが、見所も多く楽しかった!
案内してくれた忍太さん、自転車を貸してくれたKさん、見送り&最後に合流してくれたmartyさん、ありがとうございました~

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この記事へのコメント(6件) |コメント入力欄へ
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K2010年12月24日 17:34返信

良いね~半分しか観てない気がするよ(笑)・・・半分以下じゃね~か?

ツーレポ良いわ~   

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ina2010年12月24日 21:43返信

>Kさん
寄り道しすぎて茶屋でお待たせしてすいません(笑)
その分、レポートで楽しんでいただければw

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忍太2010年12月24日 23:06返信

なんて言っていいかわかりません。
案内した本人がまったく知らないコースでした。
やっぱ、inaさんのツーレポは最高だね。

しかし、箱根の道では、写真をパチパチ撮っていたinaさんに
簡単に追いつかれるとはやばいぞ。

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ina2010年12月25日 08:33返信

>忍太さん
僕はずっと登り続けることが出来ないので、途中休憩しながらの方が速いんですよ(笑)

写真休憩は重要w

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gen2010年12月25日 22:58返信

>真鶴半島を越えたところで真鶴道路を離れて旧道へ入ります。

ココは私にとっては初日の出見物専用道路です。
今年も早川駅~真鶴駅までウルトラミニで行きましたよ。人もクルマも少なく静かです。ものすごく寒いですけど(笑)

ただし、ちゃんと日の出の時間(7:50ころ)を計算に入れて行かないと大変寒い思いをします。コンビニなどの避難場所は無いですからね。

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ina2010年12月26日 20:52返信

>genさん
なるほど!確かにあの辺りは日の出スポットとして最高かも!
人も車も少ないなんて穴場ですね~

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