二郷半領用水は、現在の三郷市・吉川市にあたる二郷半領を流れている農業用水です。二郷半領用水にそって水元公園まで向かい田園風景を楽しむサイクリング
現在の吉川市&三郷市にあたる「二郷半領」は古くからの稲作地帯で、二郷半領用水はこの地域に農業用水を供給するために造られた水路です。今も残る水路沿いの田園風景を眺めつつ、かつて小合溜井であった水元公園まで走ります
走行日 | 2008年2月10日(晴) |
走行距離 | 31 km |
使用した愛車 | オールドダホン(DAHON) |
コース概要 | 駅→金野井用水路→円筒分水工→元用水&二郷半領用水→木売落→鍋小路用水路→二郷半堂まつざわ煎餅→魚竹(昼食)→JR吉川駅→二郷半緑道→東京外環自動車道→酒井揚水機場→第二大場川→二郷半領用水逃樋→二郷半領不動堀樋→閘門橋(弐郷半領猿又閘門)→水元公園→釣仙郷(小合溜井)→しばられ地蔵尊(南蔵院)→江戸川自転車道→JR金町駅 |
かつての利根川は、毎年その流れを変える暴れ川だったそうです。 そんな湿地帯を水田にするべく江戸時代に整備された用水路の一つが今回走る「二郷半領用水」です。 当初の二郷半領用水は、松伏町にある松伏溜井から小合溜井(現・水元公園)へと送水するための水路でしたが、度重なる水不足への対策として江戸川や中川など様々な河川から取水しながら現在に至ります。 ちなみに現在は、主に松伏溜井から二郷半領導水路を通じて取水しているそうなのですが、今回は江戸時代に江戸川から取水していた付近からスタートしてみたいと思います♪ |
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かつての取水点に最も近い東武野田市駅まで輪行してきました。 | 野田市といえばキッコーマン。 駅を降りた辺りから町中まで何となく醤油の香りが漂う美味しそうな街です(笑) |
広大なキッコーマンの工場群を眺めつつ、江戸川に掛かる野田橋までやってきましたよ。 |
野田橋を右岸へ渡ってすぐ北側に、かつて江戸川から二郷半領用水を取水していた場所があります。 樋管は現役ではありませんが、水路が流れていた跡は今でも残されていました。 |
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土手の上から見ると住宅街の中に妙な空き地が見えます。これが旧二郷半領用水の流れです。 | 旧水路の脇には利根川改修の歴史を記した碑が建っていました。洪水との戦いの跡が伺えます。 | 地下から導水してきた水を、新用水路・中用水路・元用水路の3用水路に分けるための円筒分水工を発見。 |
一時期はこの付近の江戸川から取水していた二郷半領用水ですが、現在はもっと上流から流れてくる金野井用水が主な水源となっているみたいです。 金野井用水から二郷半領用水に名前が変わるのがどこからなのかイマイチ分からないのですが、流れは先ほどの分水工から分かれた元用水と併走するように流れていきます。(どうやら水系の違う用水路が二つ流れているみたい?) |
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水利権の関係か?同じ方向に二つの水路が平行して流れていきます。 | 併走する元用水は朝日橋の手前で、捨壱軒方面へと分かれていきます。二郷半領用水は直進するのでそちらへ向かいますよ。 | 古くからの水田地帯ということで水路の周辺には広大な田んぼが広がっています。 |
水路に沿って広がっている広大な田んぼを眺めながら、用水路がこの土地とは切っても切れない関係であることに思いを馳せたりします。水路のそばには必ず歴史の足跡があって、だから水路巡りは楽しいのです♪ そんなことを考えながら走っていると脇からなにやら汚い水路が流れ込んできます・・・ |
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左手からなにやら汚いっぽい流れが近づいてきましたよ〜 | 木売落は排水路だからなのか、護岸整備にもやる気が感じられません(笑)こちらは今にも崩れそうな護岸なのに・・・ | 併走する二郷半領用水はこんなに立派なコンクリート製の水路となっています。 |
流れはこの先しばらく併走するように進んでいきますが、木売落は吉川市川藤付近にある木売落排水機場によって中川に放流されます。 ところが木売落の流れ自体はその後も二郷半領用水沿いに続いており、かつてはずっと併走していたのではないかと思われます。 |
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木売落排水機場の辺りで排水機場の方へと分かれていきます。分かれる辺りには、小佐衛門前伏越の銘板だけが残されています。 | 途中、鍋小路用水路という水路が分水し、吉川市中井方面へと流れていきます。 | 木売落に設置されていた木製のレトロな堰。どういう役目のモノなんでしょう? |
この付近の水路沿いは3kmに及ぶ桜並木となっています。 古くからたくさんの河川が流れていたこの地域は、川魚を食べさせるお店も多かったらしく「吉川に来て、うなぎ・なまずを食わずなかれ」と言われているとかいないとか。 |
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そんな吉川市の名物となるべく開発された商品を売っているのが二郷半堂まつざわ煎餅です。果たしてその名物とは・・・!? | なまず煎餅! なまずの粉末入りで、なまず風味たっぷりというのは冗談で、ナマズの形をしたごく普通の煎餅でした(笑) |
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ナマズが名物といわれては、昼食はナマズ以外の選択肢はないわけです。 |
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二郷半領用水沿いに建つ「魚竹」 一見大きめの民家に見えるなかなか立派な店構えです。 |
吉川名物「ナマズのタタキ」:470円 なまずの頭と骨をミンチにして、味噌味のつくね状にして揚げたものなんですが、非常にナマズくさい。川魚の臭いが苦手な人は無理かと・・・ |
なまず天定食:1470円 こちらのナマズ天は臭みもなくほっくりしてて美味しかった。ただ、この内容で1470円はちと高い? |
いやね、この店何がいけないって、「ナマズのタタキ」と「なまず天定食」を一緒に頼んだら、タタキだけ先に持ってきて、その後15分くらい定食が出てこない。どうやら他の客のと一緒に作って先に持ってきたみたいなのですが、定食がくるまで黙々とタタキ(しかもあまり美味しくない)だけを食べ続けるのはかなり辛かった〜 しかも、タタキは量が多くこれだけでお腹がいっぱいになるほど・・・ |
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桜並木が続く用水路の上には所々公園が整備されていてベンチ等もあったりします。 | JR吉川駅の前には、巨大な金のナマズ像があるらしいので早速見に行ってきました。確かにデカイ! | 武蔵野線の線路を迂回した先には再び水路が続いています。 |
ところで、武蔵野線手前まで平行して流れていた木売落がいつの間にか無くなっています。 古くは二郷半沼と呼ばれた湿地帯、その後は田んぼだった住宅地ってのも微妙ですね(汗) (安いのかな〜、と思ったら意外にそうでもないし) |
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武蔵野線の南側は新興住宅地として大々的に分譲中。駅から近くて便利だけど・・・? | 三郷団地の付近は、二郷半緑道として綺麗に整備されていて平行するため池で釣りをしている人が数人いました。 | 県道29号の手前で左に分かれていく水路があり、これが第二大場川に向かう流れです。 |
突如として現れた第二大場川への流れですが、排水路である第二大場川へ二郷半領用水から分水しているはずがないと思うのですが、何故か満々と水をたたえていました。あの水は一体どこから来たのだろう? 謎と言えばもう一つ謎が。↓の写真ですが、左から二郷半領用水|排水路っぽい水路|歩道|排水路っていう感じで平行して流れてるんですよ?排水路二つもいらないのでは・・・?と思いながら走っていたのですが後ほどその謎が解けます。 |
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何故か3本の流れが平行して流れているんですよね〜。これって無駄じゃないの?と思ったのですが・・・ | 途中、中川からポンプ圧送している流れと合流したりもします。 | 外環道の手前は巨大なショッピングモールとなっていました。 |
先ほどの3本の水路の謎ですが、外環道の先に一部護岸が未整備の区間がありそのおかげで謎が解けました! ↓の写真が未整備区間のモノですが、かつての二郷半領用水はこれくらい幅広な水路だったみたいです。それをコンクリート製の水路にして水深を深くすることで幅を狭くして現在の水路幅にしているようです。 つまり、先ほど真ん中を流れていた「排水路っぽい水路」は、旧水路跡で未整備のまま放置された土地ってことらしいです(笑) |
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ほんの一部だけ残されていた護岸が未整備の区間。かつてはこんな流れが続いていたのでしょうか。 | しばらく進むと再びコンクリート製の護岸となります。 | かつて中川から取水していたと思われる流れは埋め立てられて、入り口のみが残されていました。 |
南に進むに従って周辺はどんどん開発され、用水路としての需要も少なくなっているのか、いくつかの取水口が廃止されているようでした。水があるのは当たり前の現代から考えると、この用水路が必需であった昔がウソのようですね。 流れはつくばエキスプレスの下を通り、中川と江戸川を繋ぐ巨大な放水路へたどり着きます。 |
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酒井揚水機場 三郷放水路の下を伏越していくのかなぁ、と思ったら・・・ |
なんとポンプ圧送でパイプの中を流れていくようです!そこまでして送るのか〜 | 三郷放水路を渡った先には古くからの農家と思われる立派なお屋敷がたくさんありました。 |
三郷放水路より南側の二郷半領用水沿いは、植木や生け垣が綺麗に植えられた公園として整備されていました。 このまま水元公園まで続いてるなら、ちょっとした散歩道にもピッタリだよなぁと思ったのですが・・・!? |
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綺麗に植木が植えられた水路沿いの公園。今日は天気もいいのでお散歩気分で楽しいルートですよ〜 | ふと見上げると、梅の花がぽつりぽつりと咲いていて、寒い中にも着実に春の足音が聞こえてきています♪ | 公園内には謎のオブジェとかもあったりします(笑)写真手前は「水の門」だそうです。 |
ここまで流れてきた二郷半領用水ですが、用水路としての流れはもうすぐ終了です。 |
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第二大場川と合流する直前の二郷半領用水周辺はとっても綺麗な公園になっています。 | 合流地点 写真右から流れてくる汚ない川が下第二大場川ですが、合流地点はヘドロたっぷりで先ほどとは別世界・・・ |
冬だってのに悪臭漂う流れ。 これだけ汚いドブ川はある意味久しぶりに見たかも。 |
この下第二大場川がこれほど汚いのにはワケがあるみたいです。 このとき下流川として分断された下第二大場川は上流からの水の流入が無くなり、近隣からの生活排水と雨水のみが流れる川となってしまったようです・・・ そりゃ、汚くもなるわ。。。 |
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しばらく進むと護岸は綺麗に整備されています。戸ヶ崎四丁目付近で中州が現れて流れは二つに分かれます。 | 一方の流れが県道67号と交差する場所には、1912年に作られたという煉瓦製の樋管「二郷半領用水逃樋」があります。 | もう一方の流れに設置されているのが、1914年に作られたという二郷半領用水逃樋です。 |
第二大場川および平行して流れている大場川は、ここから下流1km位のところで中川に合流します。 |
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大場川に掛かる「猿又閘門」 1909年と100年近く前に作られた煉瓦構造物です。 |
バルコニー部分には、閘門を締め切るために角落とし(木製の板)を差し込む男達を模した像が設置されています。 | 遠くからもう一枚。 古い煉瓦製の閘門にゆったりと川が流れる様は優雅ですが、大場川もかなり汚いです |
ここまで二郷半領用水→第二大場川と流れに沿って走ってきましたが、ここで川とはお別れして水元公園の中に進むことにしました。 水元公園は、古くは小合溜井と呼ばれた巨大な遊水池で、江戸を洪水から守る機能の他、葛飾・江戸川方面の水田の水源となっていたもので、現在でも大きな池を中心とした水郷公園となっています。 ちなみに「水元」の名前は、田んぼの水源→水の元からきたものだそうです。 |
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水元公園は、小合溜井を中心とした広大でのんびりとした公園です。都内にこれほどの公園があるというのは凄いですね〜 | 園内には野鳥もたくさんいたりして、バードウォッチングを楽しむ人たちもたくさんいました。 | いやー、すばらしく雄大な景色(笑) ゆったりとした気持ちになりますね〜 |
水元公園の中をブラブラしながら、「ん〜、まだ時間的には早いなぁ」と思っていると、"しばられ地蔵"なる面白げな看板を発見♪ これは見に行かねばいけませんね〜 |
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というわけでやってきました、しばられ地蔵があるという南蔵院。水元公園からは200m位南にあります。 | 境内には本堂の他、聖徳太子堂という六角形のお堂もあったりします。 | お地蔵様を縛りながら願い事をすると叶うといわれる「しばられ地蔵」。ちなみに願いが叶ったら解きにこなければいけません。 |
南蔵院では、「満願どらやき」という買い食いにはナイスなスイーツが有ったりするのですが、昼食にナマズを食べ過ぎてどう考えてもお腹がいっぱいなので今回は断念(涙) 後ろ髪を引かれつつ再び水元公園に戻り、一旦江戸川自転車道に出たあと、最終地点となるJR金町駅に向かいます。 |
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水元公園の南端付近にあった「松浦の鐘」。廃寺となった龍蔵寺にあったものだそうです | ちょっとだけ江戸川自転車道を南に走ってJR常磐線の方へと向かいます。 | JR金町駅で今回のサイクリングも終了です〜 |
かつて江戸川から取水し、吉川・三郷地域を潤してきた二郷半領用水に沿って走ってきました。 |
二郷半領用水も偵察(下心ありあり)に行くつもりになっていますが、inaさんが行かれた日には僕は葛西用水〜草加公園〜八条用水をブラブラとポタリングしてました。
草加公園から吉川駅前あたりへ抜けていれば時間的にナマズで苦しんだinaさんとお会い出来たかも知れませんね〜
埼玉は「〜落」と呼ばれる排水路もかなり多いので、気分は乗らないでしょうがそういうところを回っても面白いかも・・・
(僕はそういうところで小物を釣って遊んでます)
羽ぴょんさん、こんにちは。
埼玉県東部地域には、魅惑の水路がたくさんあるんですよね〜
僕は綺麗汚いを問わず楽しく走れるタチなので、あの周辺を通ると常にワクワクします(笑)
と、割とニアミスでしたね。
僕も今回、二郷半領用水にするか八条用水にするかで悩んでたりするので、そっちを選んでたらすれ違っていたかも!?
円筒分水工、と言えば二ヵ領用水の久地円筒分水工が思い浮かびます。
あちらは昭和17年製なので、古い技術なのかと思ったら、こちらはかなり新しそうに見えますが現役バリバリのようですね。水が抜かれているのは残念。
水元公園はいいところですよね。歩いて散策するとあまりに広すぎてくたびれちゃうので自転車だとちょうどいいですね。
初コメントです。 野田から金町まで自転車で走る中
色々な背景などが詳細に綴られていて感動しております。
私は何も考えずに走るので、はずかしい〜〜。
>genさん
はい、こちらのは比較的新しい様子でした。
古くからの技術が今も活きてるって凄いですよね〜
>ちか太郎さん
いえいえ、自転車の楽しみ方は人それぞれですから♪
僕はいつもキョロキョロしながら走っているのですが、自転車乗りとしては少々危険だなぁと思うことが多々あったり(汗)
inaさんのツーレポを見ると。。。ついついコメントは食べ物にいってしまう私です(^^;
なまずが食べれるってしりませんでした!!
食べるのに勇気がいる食材ですよね。
私はinaさんにぜひ食べてほしいハンバーガーを見つけました(^^)
大場川の猿又閘門のところの男たちの像
雰囲気的には「猿」という感じがします。
金のナマズも魅力的だし(^^)
なまず定食は遠慮したいですが、見所たくさんのコースですね♪
さふらんさん、こんばんは〜
僕がツーリングの予定を立てる際に最も重視しているのが「食事」ですから、その視点は正解ではないかと(笑)
ちなみに、ナマズは結構美味しいので是非一度食べてみてください♪
>ハンバーガー
めちゃ気になります!
なまずで思い出しましたが、以前の秦野オフの時になまず食べましたね
あの時はメニューの中に普通にある800円弱のなまずの天ぷら定食
食べましたね(臭みもなくおいしかった)
さふらんさん〜魚を見た目で嫌っちゃもったいないよ
醜い魚はたいていおいしいんだからね
おこぜ、あんこう、うなぎも蒲焼になる前はかなりのもんだしさ
かめねこさん、こんにちは
そうなんですよ〜
秦野で食べたナマズ丼の方が量もたっぷりだったし、お値段は半額くらいだしで断然良かったです!
吉川辺りは、食堂っていうより料亭的なお店が多いのでどうしても値段が高くなっちゃうんですが、それならそれでサービス面で何とかして欲しいなぁと(汗)
なまず・・・
所謂「日本ナマズ」以外に最近霞ヶ浦水系で問題になっているのがアメリカ産の「チャンネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)」です。
霞ヶ浦の養殖業者の網から逃げて(業者が倒産したという噂も)霞ヶ浦全域に広がりました。
物凄い悪食で、死魚でもなんでも食べてしまうので、かって悪名を轟かしていたブルーギルすら霞水系では激減しております。
りんりんロードoffで立ち寄るかも知れない「つくし湖」は地下導水管で霞ヶ浦の水を引いているので、移入されてしまってます。
食べると美味いそうですがおろすのは結構大変と聞いてます。
羽ぴょんさん、こんにちは
アメリカナマズの件は、ニュースか何かで見た記憶がありますね〜
美味しいなら霞ヶ浦名物とかにすれば。。。って手間が掛かるからだれもやらないのか(笑)