かつて杉並区から中野区へと流れていた桃園川。暗渠となってしまった川の上に桃園川緑道が整備されていると聞き、その流れの足跡を探訪するポタリングに出かけました。
かつて杉並区から中野区へと流れていた桃園川。暗渠となってしまった川の上に桃園川緑道が整備されていると聞き、その流れの足跡を探訪するポタリングに出かけました
走行日 | 2007年12月11日(曇) |
走行距離 | 21 km |
使用した愛車 | A-RIDER(A-bike) |
コース概要 | 西武東伏見駅→武蔵関公園→千川上水→青梅街道→荻窪駅→桃園川→けやき公園→桃園川緑道→堀越学園→神田川→淀橋→JR新宿駅→一風堂 |
東京都の西側、杉並区辺りから新宿区辺りまでを流れて周辺を潤したという桃園川。 かつての桃園川は杉並区天沼3丁目23番地の天沼弁天社内にあった弁天池を水源とし、杉並区・中野区内を東へ流れた後、中野区・新宿区区境の末広橋脇で神田川に注ぐ川でした。 その後、都心部での水道需要と流域周辺部の農業用水確保のために、周辺を流れる千川上水や善福寺川から分水を受けて用水路としての役割を果たしますが、昭和30年代頃には周辺の宅地化とともに下水化し暗渠となり現在に至っています。 ちなみに「桃園川」という名称は、江戸時代初期に高円寺の境内に桃の木が多かったことから将軍より「地名を桃園とするように」との沙汰があったことに由来しているようです。 そんな桃園川の今の風景を眺めに出かけましょう〜!まずは、かつて桃園川に分水していたという千川上水を眺めるために輪行して東伏見駅までやってきました。 |
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東伏見駅前には東伏見稲荷の参道鳥居があり興味をそそられましたが、今日は反対側の武蔵関公園の方へ向かいます。 | 武蔵関公園は紅葉真っ盛り♪ 真っ赤な紅葉と黄色の銀杏がとっても綺麗でしたよ。 |
青梅街道を越えてさらに南へ向かうと千川上水に到着です。 |
千川上水については、以前「神田川&善福寺川&千川上水」を走った際に、ちょこっと書いたのでそちらも併せて見ていただけると繋がりがわかるかもです〜 元々流量の少なかった桃園川を用水化するために、千川上水の水を分水していたのは千川上水が青梅街道と交差する練馬区の関町交差点付近らしいので、その付近を目指して千川上水沿いを進みます。 |
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千川上水は都の清流復活事業で、下水処理水を流すことで流れが復活し周囲は緑道として整備されています。 | 途中若干未舗装路もありましたが、よく締まった路面なのでむしろ気持ちいいくらいです♪ | 青梅街道と交差する関町一丁目交差点には、「伊勢橋」と書かれた、橋の欄干が残っています。 |
千川上水から分水された流れは荻窪駅周辺まで青梅街道沿いを流れていたそうなのですが、残念ながらその足跡を見ることはできませんでした。 この辺りを流れていたのかなぁと妄想しながら進みます(笑) |
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唯一、流れがあった跡と思われる東京都下水道局のマンホール。「おすい」の文字が微妙に悲しい。。。 | 青梅街道沿いの銀杏並木がちょうど見頃で、街が黄色に染まっていました〜 | しばらく進むと日産自動車の敷地に「旧中島飛行機発動機発祥の地」があり、石碑の中にペンシルロケットを発見! |
青梅街道をひたすら荻窪右方面へと進みます。 分岐する場所は、現在の荻窪駅北側にあるりそな銀行の東側になります。 |
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周囲の景色がだいぶん賑やかになってきたな〜と思ったら、分岐地点ももうすぐ! | りそな銀行の東側に「いかにも」水路跡っぽい路地を発見。千川上水から分水した流れはここから桃園川へと向かいます。 | 流れは住宅の合間を縫うように進んでいきいます。 |
元々の桃園川は、杉並区天沼3丁目23番地の天沼弁天社内にあった弁天池を水源としていました。 うっかり通り過ぎてしまいました。 |
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流れのちょっと北側にある八幡神社。 この西側あたりが桃園川の源流だったようなのですが、うっかり素通り。。。(汗) |
藤乃湯という銭湯を発見。 水路沿いを走ると銭湯が多いような気がするのは気のせいでしょうか? |
藤乃湯をすぎたところで怪しい水路跡が流れ込んでいるのを発見!? |
藤乃湯を過ぎた辺りで上の写真の怪しい水路跡を発見し、「こっちが源流かな?」と勘違い。 もちろんこの時点では知るよしもないので、源流探訪?へと向かいさんざん迷走することになります(笑) |
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怪しい水路跡を上ってみるも、マンションの前で行き止まりに。反対側に回ってみましたがこれ以上先はないみたいです。 | 水路を探して迷走中に見つけた「熊野神社」。銀杏の葉が紅葉していてとっても綺麗でしたよ〜 | 結局、源流を見つけることができずに、元の流れに戻ってきました〜 |
いやぁ、どうりで源流見つからないはずですよ。もうとっくに通り過ぎてたんだから(笑) 青梅街道や熊野神社にもありましたが、今日は銀杏がちょうど見頃です。今年は、日光や富士山で微妙に紅葉タイミングを外していたので最後にいい景色を見れてとっても幸せ♪ ところでこの銀杏、現存する植物の中ではもっとも古い植物の一つなんだそうですよ。 |
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中杉通の手前に松山通りという商店街があるのですが、この道が旧鎌倉街道らしいです。 | 中杉通を渡ったところで、遊歩道が消えてしまい流路をたどることができなくなってしまいます。 | くねっていて何となく流れっぽい道の方へと進んでいきます |
しばらく進んでいくと団地の裏手で水路跡らしき路地が脇道として合流しています。 あれれ?いつの間にか流路からはずれてしまったのでしょうか?と、疑問点は解決しておきたいのでいったん上ってみることにしました。 |
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団地の裏手で脇道から水路跡が合流しています。あれ〜、間違えたかなぁ・・・ | 住宅地の合間を縫うように水路跡を上っていきます。 | 左上の中杉通の写真の100mほど北側にでました。ここだと明らかに流路からずれていますね〜 |
ん〜、一体どうなっているんでしょうか? |
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玉の湯という銭湯の脇に水路跡があるのを発見!?これが桃園川かと進んでいきました。 | おぉ〜、いかにも水路跡っぽくていい感じですよ、これは。 | 考えている間にJR中央線の高架下に到着。あれれ、また何かがおかしい!? |
水路跡っぽい歩道を発見して調子よく進んできたのですが、どうやらまた間違っているようです(汗) むむむ、これもまた支流の一つなのでしょうか? さて、いったん途切れて流れを追うことができなくなっていた桃園川ですが、JR中央線の高架から先は神田川までのすべての区間が桃園川緑道として整備されています。これでもう迷うことはないはず(笑) |
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かつての桃園川はけやき公園の西側を流れていたはず。。。 | JR中央線の高架から先は桃園川緑道として整備されています。 | 緑道にはたくさんの木々や花が植えられていて、お散歩にぴったりな感じですよ♪ |
桃園川緑道は雰囲気もよくポタリングにはとってもいい環境なのですが、残念なことに所々に「自転車進入禁止」の看板があったりします。何も自転車を排除することもないと思うのですが、決まりには従って当該箇所では押しながら進んでいきます〜 ま〜、これはこれでのんびりと景色を眺めながら進めていいのですが(笑) |
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所々にこういったオブジェがあったり、 | 高円寺駅前の商店街のところにはかつての欄干が残っていたりします。 | 環七のぶつかるところには、桃園川の歴史を説明した看板があるので目を通していくとおもしろいかも〜 |
桃園川緑道は、杉並区&中野区の二つの区にまたがって続いています。 |
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住宅の合間を縫うように進む遊歩道に紅葉が色づいています。こういう散歩道が近くにあるのは幸せですね〜 | ところどころに謎の絵が描かれたタイルが貼られていたりします。 | 中野区では、かつて桃園川の由来となった桃園を復活させるべく「桃園ルネッサンス」と称して桃の木を植えているようです。 |
今は冬なのでちょっとわからなかったのですが、右上の写真の木々が桃なんでしょうか? 春、桃の花を眺めて歴史に思いを巡らせながら桃園川を走るというのもなんだかワクワクしますね♪ |
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中野通に架かる橋は、その名も「桃園橋」です。この辺りに桃園があったのでしょうか? | 桃園橋の下ではかつての橋梁の構造物をのぞくこともできます。手前の白いのは心ない人が捨てた粗大ゴミです。。。 | 周囲には、うなぎやドジョウを食べさせる店も。かつては桃園川でとれたのかな〜 |
さらに流れは大久保通りに沿って都心方面へと向かっていきます。 | ||
最近いろいろあった影響でしょうか、使用禁止になった遊具が。。。 | 芸能人が通うので有名な堀越学園の裏を流れる桃園川。学校の塀にはバリケード、窓には全面目隠しがされていたのが印象的です。 | 暗渠になった桃園川の水位を示す掲示板。この道の下に水路が流れていることを示す数少ないものです。 |
と、そうこうしている内に流れは中野区を通り過ぎ、新宿区との区境を流れる神田川まで後少しとなります。 | ||
かつてこの辺りに有ったという中野塔の絵が書いた石碑。東京大空襲で消失してしまったそうです。 | 親水公園として整備されている場所もあるのですが、残念ながら水は流れていませんでした。 | あっというまに、神田川との合流地点に到着〜。とっても楽しい遊歩道でした♪ |
桃園川は、新宿区との区境にある末広橋のところで神田川と合流しており、桃園川に沿って整備された桃園川緑道もここで終了となります。 都内を流れる川は、洪水対策のために暗渠化されていることが多いのですが、寂しいようであり、反面こういった緑道として有意義に整備されていることは楽しかったりして微妙な感覚ですね〜 暗渠化されて流れを見ることはできなくなってしまいましたが、その周囲にはかつてそこに川があったことを示すアレコレがあったりするので、それを見つけるのもポタリング的には楽しいですが(笑) |
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神田川に流れ込む桃園川汚水幹線。 流路すべての中で唯一流れを見ることができるポイントだったりします。 |
ここからは神田川に沿って新宿方面へと向かいます〜 | 淀橋で神田川とお別れして新宿駅へ〜 |
新宿にある「淀橋」ということで、もしやこれは「ヨドバシカメラ」の由来になったのでは・・・? |
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高層ビルが建ち並ぶ西新宿ですが、かつてここは東京都の水道の一翼を担う「淀橋浄水場」が有った跡地です。 | そんなことを考えている内に新宿駅に到着〜 | この後用事があったので電車で輪行して恵比寿へ。一風堂で旨いとんこつラーメンを食べて帰りましたよ(笑) |
いやー、相変わらず東京都の緑道は整備状態がよくてポタリングにはぴったりですね♪ ホントはこの後、「春の小川」のモデルとなったといわれている「河骨川」の流れを探索しに行く予定だったのですが時間が足りなかったのでそれはまた次回と言うことで。 都内にはこういった水路後がたくさんあるので、こまめに探検しに来たいと思います♪ |
地図を見ると、ずいぶん迷走しましたね〜(笑)。
拡大すると、いっそう迷走の具合がわかって面白いです。
水路探検では、こういう試走錯誤?の繰り返しが多くなってくるから、小回りの効くというのも重要な性能になってきますね。
12月も半ばになって、ようやく東京近郊は紅葉が見頃になってきましたね。通勤途中の旧川越街道では、大きな敷地の家が多くて色づいた大木が楽しませてくれます。明日は北風が強そうなので、南のほう、多摩川方面に行ってみようかな。
inaさん オヒサですう!
以前、「東京自転車散歩」を参考にして桃園川緑道から妙正寺川緑道をつないで走りましたが、やはり、阿佐ヶ谷の北側で迷走しましたですう。多分桃園川の源流も妙正寺川の源流もほぼ南北に並ぶのは、西からの地下水の伏流がちょうど湧水点として並ぶからかもしれませんねえ。
こうしてみると、気が付かない水路跡が結構流れ込んでるんですねえ。
家が立ち並ぶ都内も地形に注意して走ると面白いですう!
今度は世田谷方面の千川なんかにいってみようかなあと地図とにらめっこしてますう。
>genさん
今回はホント迷いました(笑)
事前調査をちゃんとしていかなかったのもいけなかったのですが、開発が進んでいる辺りはなかなか水路を追うのも大変です〜
>ポタおじさん
あれれ、って思ってみてみたらあの本に桃園川のことが載ってたんですね!
すっかり忘れてました(汗)
水源に関しては、確かにあの周辺には善福寺川など他の川の水源も多いので、そういった地形的な理由がありそうです!そういう視点で考えてみるとこれまたいろいろ面白いですね♪
杉並区の地図を見ると井草川と桃園川の暗渠区間がある。昔は井草川と桃園川、桃園川と井草川の支流を見ることが出来たんだが、生活排水が原因で川が汚染し、悪臭が漂い、住民に迷惑をかけたから蓋をされたわけだ。人が歩くための遊歩道を作ったんだ。流路を残念ながら見ることは出来ない。玉川上水も暗渠になっていて烏山川と北沢川に分流されてるんだ。千川上水も暗渠になってる。東京都や他県、2府1道の河川が暗渠になってるのはゴミを捨てたり、排水を流し込んだのが原因だったから蓋をされ、流れを見ることが出来ないんだ。
>タクロウさん
そうですね・・・
河川跡を走っていると、昔はここ川だったんだよなぁと、しみじみ感じます。