山門をくぐり境内にはいると正面奥に朱塗り銅葺きの観音堂が建っています。元禄の頃の建築といわれる荘厳な観音堂は県の重要文化財にも指定されています。
観音堂の右側には、周囲に戸障子のない珍しい造りの施食堂が並んでいて、その中央部にある八角形の厨子の中には施餓鬼者の戒名を記したものが納められています。
住所 | 埼玉県秩父市栃谷418 |
電話番号 | 0494−22−4525 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | おたすけ観音 多くの生命を救い、願望を助けする霊験あらたかな観音様 |
御詠歌 | ありがたや 一巻ならぬ 法の花 数は四萬部の 寺のいにしえ |
宗派 | 曹洞宗 |
真福寺は入母屋造り銅葺き屋根で三間四面の質素な寺院です。本尊の聖観音立像は一木造りで室町時代の作といわれています。
本来、観音霊場巡りは33番ですが、江戸時代に秩父札所巡りの番号変更が行われた際に、34ヶ所目の寺院として加わったのがこの真福寺だとされています。
住所 | 秩父市大字山田3095 |
電話番号 | 0494-22-1832 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 心願成就 |
御詠歌 | めぐりきて 願いをかけし大棚 の誓いもふかき 谷川の水 |
宗派 | 曹洞宗 |
常泉寺は丘の中腹の林の中に集落を見渡すように建っています。
もともとは五間四面の大きな堂宇でしたが、弘化年間の火事で焼失したため明治3年に秩父神社の境内にあった薬師堂を移築して現在の観音堂となっています。
本尊は室町時代の作といわれる聖観音の木彫像です。
また、寺宝とされる子持ち石は子宝に恵まれない夫婦が前掛けと袈裟を奉納して願を掛けると子供が授かると伝えられています。
住所 | 埼玉県秩父市山田1392 |
電話番号 | 0494−23−2050 |
御本尊 | 聖観世音菩薩像 |
御利益 | 子持石:子宝 |
御詠歌 | 補陀落は 岩本寺と おがむべし 峰の松風 ひびく滝つ瀬 |
宗派 | 曹洞宗 |
金昌寺は石仏の寺として有名です。
江戸時代の案内書には3800体もの石像があったことが記されていますが、明治政府の廃仏毀釈によってその大部分が廃棄されてしまい現在は1319体のみとなっています。
なぜこれほどたくさんの石仏があるのかというと、1624年に住職の古仙登嶽和尚が寺院興隆のために石造千体仏建立を発願し、江戸を中心する各地から寄進をつのり造り上げたものだそうです。
住所 | 埼玉県秩父市山田1803 |
電話番号 | 0494−23−1578 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | 子育て祈願 |
御詠歌 | あらたかに まいりておがむ 観世音 二世安楽と 誰もいのらん |
宗派 | 曹洞宗 |
語歌堂の簡素な仁王門をくぐると正面に三間四面の観音堂が建っています。
周囲に垣根がないオープンな佇まいは、庶民にとって親しみやすい札所であったことが伺えます。
納経所は、250mほど離れた長興寺で行う形となります。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬6086 |
電話番号 | 0494−23−4701 |
御本尊 | 准胝観世音菩薩 |
御利益 | 子育て祈願 |
御詠歌 | 父母の めぐみも深き 語歌の堂 大慈大悲の ちかいたのもし |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
卜雲寺の入口に立ち坂の上を見上げると、眺めの良さそうな中腹にお堂が建っているのが見えます。
本堂は間口6間の普通の本堂形式。
本尊は40cm強の聖観音で行基菩薩の作と伝えられ、当初は武甲山頂の蔵王権現社に祀られていたといわれています。
本堂の前に建って反対側を見ると武甲山とその下に広がる横瀬の里が一望できます。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬1430 |
電話番号 | 0494−24−6236 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | おねがい地蔵尊:願掛け |
御詠歌 | 初秋に 風吹きむすぶ 荻の堂 宿かりのよに 夢ぞさめける |
宗派 | 曹洞宗 |
法長寺の山門は、両袖に菊水の紋がはめ込まれた荘重な造りで、門前には禅宗の結戒「不許葷酒入山門」が刻まれた石碑が建ってます。
「不許葷酒入山門」とは、匂いの強いネギ・ニラ・ニンニクなどの野菜は、その強い匂いで他人を苦しめる上に自分の修行の妨げになり、また酒は心を乱すので清浄な寺内に入ることを許さないという意味だそう。
境内はゆったりとした庭園で、その奥の方に間口10間の入母屋造りの立派な本堂があります。
江戸時代の科学者でエレキテルで知られる「平賀源内」の設計といわれ、大きさについては秩父札所の中でも随一の規模となっています。
本尊は江戸時代の作といわれる十一面観音です。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬1508 |
電話番号 | 0494−22−1921 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | 財福徳の寺 |
御詠歌 | 六道を かねてめぐりて おがむべし また後の世を きくもうしぶし |
宗派 | 曹洞宗 |
西善寺に入ってまず目に付くのは、境内を覆い尽くすように枝を伸ばしたコミネモミジの古木です。
県の天然記念物にも指定されているというこの大木は樹齢500年という老木にもかかわらず、今でも生き生きとした枝振りで、御利益というものがあるならこういうことだろうと思わず納得してしまいます。
本堂は間口7間の軒唐破風の向拝を配した寄棟造り。
本尊は恵心僧都の作と伝えられる20cm強の十一面観音です。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬598 |
電話番号 | 0494−23−3413 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | ボケ封じ・嫁姑円満成就の寺 |
御詠歌 | ただ頼め 誠の時は 西善寺 来たり迎えん 弥陀の三尊 |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
明智寺の観音堂は、二軒六面の六角堂形式の綺麗な建物です。
もともとは5番語歌堂と同規模だったと言われていますが、明治14年に落雷のため焼失し、その後、平成2年に現在のものが再建されたということです
恵心僧都作といわれる本尊「如意輪観音」が、安産・子育ての御利益があるということで1月と8月の縁日にはたくさんの女性信者で賑わうそうです。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬2160 |
電話番号 | 0494−24−3125 |
御本尊 | 如意輪観世音菩薩 |
御利益 | 安産・子育て祈願 |
御詠歌 | めぐりきて その名をきけば 明智寺 こころの月は くもらざるらん |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
赤い頭巾と白い腹がけを着せられた延命地蔵が目印の「大慈寺」
急な階段を上り楼門形仁王門をくぐると、改修したばかりと思われる2間半ほどの向拝が付いた本堂が建っています。
本尊は恵心僧都の作といわれる聖観音。
お賽銭箱の隣には小豆色の「おびんづる様」があり、自分が病んでいる部分をさすりその手でおびんづる様の同じ部分を撫でると病気がそこに移るといわれています。
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬5151 |
電話番号 | 0494−23−4124 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 安産・子育て祈願 |
御詠歌 | ひたすらに たのみをかけよ 大慈寺 六の巷の 苦にかわるべし |
宗派 | 曹洞宗 |
10番の大慈寺とは山の裏表の中腹に建つ常楽寺からは、秩父市街とその奥に広がる長尾尾根が一望できます。
かつては観音堂と仁王門など堂々とした伽藍のあるお寺だったのですが、1878年の秩父大火で焼失してしまったそうです。現在の本堂は明治30年に建てられたもので三間四面の流れ向拝付き方形建築です。
本尊は90cm程ある十一面観音で、他に行基作といわれる釈迦如来像も祀られています。
住所 | 埼玉県秩父市熊木43−28 |
電話番号 | 0494−22−2190 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | 厄除け開運祈願・長寿祈願 |
御詠歌 | つみとがも 消えよと祈る 坂ごおり 朝日はささで 夕日かがやく |
宗派 | 曹洞宗 |
野坂寺の山門は毎時末期の火災で寺が焼失してしまった際に燃えずに残ったものだそうで、入母屋二重垂木の八脚門で禅寺に似つかわしい重厚な風格の山門です。
山門をくぐると綺麗に手入れされた庭園が広がり、その向こうに六間四面の本堂が堂々と建っています。
本尊は藤原時代の作といわれる一木造りの聖観音です
住所 | 埼玉県秩父市野坂町2−12−25 |
電話番号 | 0494−22−1608 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 洗心 |
御詠歌 | おいの身に くるしきものは 野坂でら いま思いしれ のちの世のみち |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
駅前の人通りが多い一角に建つ慈眼寺。
入口には薬医門と呼ぶ切妻造りの黒門があり、門をくぐると正面に観音堂、左手に鐘楼、右手に経蔵という配置になっています。
他の多くの寺院と同じように慈眼寺も秩父大火で焼けてしまい、現在の観音堂は明治34年に再建されたものですが、三間四面と小さいながらも凝った装飾が見事な本堂となっています。
本尊は行基作といわれる聖観音
慈眼寺で見逃してはいけないのが境内右手にある経蔵です。
お堂の中心に真ん中にある柱を中心として回転するように造られた輪蔵形式の経庫があり、これを3回廻しながら礼拝すると全てのお経を読んだのと同じ功徳があるといわれています。
住所 | 埼玉県秩父市東町26−7 |
電話番号 | 0494−23−6813 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 目の健康祈願 |
御詠歌 | 御手に持つ はちすのははき 残りなく 浮世のちりを はけの下でら |
宗派 | 曹洞宗 |
その昔、大和武尊が東征の際に、この地に御旗を立てたため「旗の下」の地名となったと言われています。
住宅地の中にひっそりと建っている今宮坊は、注意していないと見落としてしまいそうなほど。観音堂は屋根に宝珠をのせた以外は飾り気が無く質素な感じで、本尊は60cmくらいの聖観音です。
今宮坊のちょっと東側に今宮神社があり、境内に樹齢500年といわれる「駒つなぎの欅」があります。徳川家康も見とれたという古木なので通りすがりに覗いていくといいと思います。
住所 | 埼玉県秩父市中町25−12 |
電話番号 | 0494−22−0828 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 延命・学業成就 |
御詠歌 | 昔より 立つとも知らぬ 今宮に まいるこころは 浄土なるらん |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
秩父神社へと続く番場通りを横見に見ながら、秩父鉄道にかかる小さな踏切を越えると正面に白いちょっと変わった造りの「少林寺」が見えてきます。
秩父大火の際に焼失してしまった少林寺の再建にあたり、火災予防の見地から木造の外側を漆喰塗りで仕上げたもので、秩父札所の中で唯一土蔵造りの本堂となっています。
住所 | 埼玉県秩父市番場町7−9 |
電話番号 | 0494−22−3541 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | 観音様の霊験 |
御詠歌 | みどりごの ははそのもりの 蔵福寺 ちちもろともに 誓いもらすな |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
質素な山門をくぐると正面に本堂、右手には納札堂と金比羅堂、左手には酒樽大黒とかなり見所たっぷりな「西光寺」。
本堂の右手にはコの字形の回廊があり、中には四国八十八ヶ所霊場の本尊を模した木像がズラリと並んでいます。これを拝めば四国遍路をしたのと同じ功徳がえられるということでお得な気分に。
本堂の中二階には隠し部屋があるといわれ、かつては博打場や男女の睦む場となっていたそうです。札所巡りというと厳格な巡礼と考えがちですが、江戸時代のいわゆる娯楽の一つであったことが伺える逸話です。
住所 | 埼玉県秩父市中村町4−8−21 |
電話番号 | 0494−22−4444 |
御本尊 | 千手観世音菩薩 |
御利益 | 四国八十八ヶ所巡りの回廊堂 |
御詠歌 | 西光寺 ちかいを人に たずぬれば ついのすみかは 西とこそきけ |
宗派 | 真言宗豊山派 |
住宅地の間の狭い路地を進んでいくと正面にいきなり本堂が建っている「定林寺」。
観音堂は宝形屋根の簡素な四間四面。
観音堂の手前には立派な鐘楼があります。
鐘の周囲に四国・板東・秩父の百観音の本尊を浮き彫りにし、各寺の御詠歌を刻んだ見事な鐘で1758年の作と刻まれています。
住所 | 埼玉県秩父市桜木町21−3 |
電話番号 | 0494−22−6857 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御利益 | 子育て観音 |
御詠歌 | あらましを 思い定めし 林寺 かねききあへず 夢ぞさめける |
宗派 | 曹洞宗 |
神門寺の観音堂は宝形銅葺きの三間四面と小さいものですが、大唐破風の向拝を配した風格のあるお堂です。
本尊は室町時代の作といわれる90cm強の聖観音。
神門寺には秩父札所三十四ヶ寺の本尊を彫った版木があり、昔はこれを刷って信者に配ったりもしていたそうです。
住所 | 埼玉県秩父市下宮地町5−15 |
電話番号 | 0494−25−0598 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 観音様の霊験 |
御詠歌 | ただたのめ ろくそくともに 大悲をば 神門にたちて たすけたまえる |
宗派 | 曹洞宗 |
龍石寺は、荒川の河岸の岩盤の上に建つ大きなお寺です。
構造は三間四面ですが、中央が柱割りが4m以上と広くとられているため堂々としてかなり大きく見えます。
本尊は室町時代の作といわれる千手観音
縁起に寄れば、弘法大師の作で京都から飛んできてこの地に定着したといわれています。
戦後、住職がいないこともあってかなり荒れてしまった龍石寺ですが、秩父観光協会青年部の方々が巡礼姿で托鉢して寄付を募って再建したという逸話もあります。
住所 | 埼玉県秩父市大畑町15−31 |
電話番号 | 0494−23−7758 |
御本尊 | 千手観世音菩薩 |
御利益 | 厄除け・子育て祈願 |
御詠歌 | あめつちを 動かすほどの 龍石寺 まいる人には 利生あるべし |
宗派 | 曹洞宗 |
岩之上堂は、19番龍石寺とは荒川を挟んで対岸の岩壁の上に建っています。
秩父札所のなかで最古の建物といわれ、土地の名士「内田氏」が観音堂を造営し、今でも代々個人で管理しているというちょっと変わった札所です。
本尊は70cm強の聖観音で藤原時代の作といわれる逸品。
境内の端から荒川の方へ30m程進むと乳水場があります。
昔、ある乳母が主人の子に先に乳を飲ませると我が子に飲ませる乳が出ないと思い詰めて我が子と共に入水しようとしたところ、「岩の上堂にしたたる清水を飲みなさい」との声が聞こえ、その通りにすると不思議なことに乳房から乳がほとばしったという伝説があるそうです。
今でも、乳の出が良くなると信じられています。
住所 | 埼玉県秩父市寺尾2169 |
電話番号 | 0494−23−9419 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 乳の出をよくする祈願 |
御詠歌 | 苔むしろ しきてもとまれ 岩の上 玉のうてなも くちはつる身を |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
観音寺は、木立も生け垣もない県道沿いにいきなり建っている寄棟瓦葺きのお寺です。
とても質素な造りで正面勾拝の「秩父廿一番」という大額がなければ、ちょっと豪華な民家くらいにみえます。
境内には、芭蕉の句碑や宝篋印塔など見所も多いので、ちょっと時間を取ってながめて見るのも良いのではないでしょうか?
住所 | 埼玉県秩父市寺尾2354 |
電話番号 | 0494−24−7263 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 火伏せの観音 |
御詠歌 | 梓弓 いる矢の堂に もうできて ねがいし法に あたるうれしさ |
宗派 | 真言宗豊山派 |
県道から脇道に入り、野道をしばらく進むと畑の中に茅葺きの仁王門が見えてきます。
その奥に見えるのが堂子堂です。
仁王門は、質素ながらも大きなかわらぶき屋根が印象的なもので、特に注目したいのが右側の門に安置されている仁王像です。
思わず「手抜きですか?」といいたくなるような、稚拙な造りなのですが何故このような仁王像なのかはわかりません。
観音堂は三間四面で、正面唐戸の「風神・雷神・迦陵頻伽」の彫刻が立派なお堂です。
住所 | 埼玉県秩父市寺尾3595 |
電話番号 | 0494−23−9989 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 子どもの健康祈願 |
御詠歌 | 極楽を ここで見つけて わらうどう のちの世までも たのもしきかな |
宗派 | 真言宗豊山派 |
音楽寺の観音堂は、三間四面、銅葺きの方形造りですが、まわりに勾欄付きの幅広な浜縁を廻してあるのでかなり大きく見えます。
山のかなり高い位置に建っているため回廊から東側を見ると、遠くに三峰山から武甲山、高篠山、眼下には秩父市街が一望できる絶景スポットとなっています。
境内にある鐘楼は秩父市の文化財に指定されているという1768年製。
その響きは秩父札所随一といわれ、戦時中の金属拠出も免れたという名鐘だそうです
また、境内の奥の山道を登っていった先の奥の院には十三地蔵尊があります。
歩いて数分の所なのでちょっと寄り道してみてはいかがでしょうか?
住所 | 埼玉県秩父市寺尾3773 |
電話番号 | 0494−25−3018 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 歌上達祈願 |
御詠歌 | 音楽の み声なりけり 小鹿坂の しらべにかよう 峰のまつかぜ |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
「観音寺」と書かれた自然石の道標のところを入っていくと目の前に117段の急な石段が現れます。
(一番上は霊地で階段ではないので116段と表記されてたりもします)
石段を登りきった境内は山の斜面を切り開いて作った狭いもので、正面に瓦葺き三間四面の観音堂が建っています。
このお堂は、正面の三間の内一面を解放にして左右の両袖に仁王尊が祀られている(つまり、本堂と仁王門が一体化している)珍しいものです。
4/18の縁日では廻り念仏を行うことでも知られ、このときに使われる数珠は本堂の中に飾られていて参拝者がさわることもできます。
住所 | 埼玉県秩父市別所1586 |
電話番号 | 0494−23−0943 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 病気治癒祈願 |
御詠歌 | あまてらす 神のははその 色かえて なおもふりぬる 雪のしらやま |
宗派 | 臨済宗南禅寺派 |
久昌寺の入口には「御手判寺」と書かれた大きな石柱が建っています。
御手判とは、札所開設の時に性空上人らが冥土からもたらした石札の一種で、閻魔大王の手形石だと言われています。
久昌寺で希望すれば御手判の判刷りを頂くこともできます。
観音堂は山の岩壁沿いにあり、三間四面、宝形屋根の端正なお堂です。
観音堂の後ろには弁天池がありその向こうに久昌寺の本堂が建っています。本堂側から観音堂を見渡す景色は素晴らしく、思わず立ち止まってみたくなるほど。
住所 | 埼玉県秩父市久那2215 |
電話番号 | 0494−23−7309 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 弁財天尊宮・閻魔大王の御手判交付 |
御詠歌 | みなかみは いづくなるらん 岩谷堂 朝日もくなく 夕日かがやく |
宗派 | 曹洞宗 |
26番札所は円融寺なのですが、本来の観音堂は離れたところにある奥の院である「岩井堂」となっています。
納経の受付と本尊は円融寺にあるので先にこちらに寄ってから、岩井堂に足を延ばすと良いのではないでしょうか?
岩井堂は円融寺から30分ほど歩いたところにあり、昭和電工の工場内を突き抜けるように進んで琴平神社の入口をさらに奥へと進んだところにあります。
岩井堂へは300段くらいある急な石段を登っていきます。
石段を登りきると朱塗りの舞台のような岩井堂が岩山に抱かれるように建っています。
ここから尾根づたいにハイキングコースを進むと27番の奥の院である白衣観音を見ながら27番へ向かうこともできます。
住所 | 埼玉県秩父市下影森348 |
電話番号 | 0494−23−8838 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 家内安全・商売繁盛 |
御詠歌 | たずねいり むすぶ清水の 岩井堂 心のあかを すすがぬはなし |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
戦争が近づく世相の中建造されたせいで、本来左手には蓮華を持つはずが剣を持つ像にされてしまったという白衣観音があるのが27番大淵寺です。
境内には、飲むと三十三ヶ月寿命が延びるという延命水があります。
住所 | 埼玉県秩父市上影森411 |
電話番号 | 0494−22−5259 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 病気平癒・国家泰平 |
御詠歌 | 夏山や しげきがもとの 露までも こころへだてぬ 月のかげもり |
宗派 | 曹洞宗 |
橋立堂の観音堂は、高さ70mもある迫り出した石灰岩の岩壁の下に押しつぶされそうな感じで建っています。
三間四面、流れ向拝を付した方形銅板葺きのお堂が小さく見えます。
本尊は秩父札所唯一の馬頭観音で、漆箔三眼、三面三腎の鎌倉時代の逸品ですが、現在は三腎と馬頭を欠いてしまっているのが残念なところです。
本堂手前にはかつて修行の場として使われていたという鍾乳洞があり、現在は観光施設としても利用されています。
住所 | 埼玉県秩父市上影森675 |
電話番号 | 0494−24−5399 |
御本尊 | 馬頭観世音菩薩 |
御利益 | 交通安全祈願・動物供養 |
御詠歌 | 霧の海 たち重なるは 雲の波 たぐいあらじと わたる橋だて |
宗派 | 曹洞宗 |
長泉院の入口には大きなしだれ桜があり、その下には「篠戸山長泉禅院」とかかれた石碑と延命地蔵があります。
参道を進んでいくと右手に本堂があります。
かつては観音堂があったのですが焼失してしまい、その後再建されていないため、現在は長泉院の本堂が観音堂を兼ねています。
本堂は間口七間奥行き五間半の大きな造りで竹林を背に堂々と建っています。
住所 | 埼玉県秩父市荒川上田野557 |
電話番号 | 0494−54−1106 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 心願成就 |
御詠歌 | わけのぼり むすぶ笹の戸 おしひらき 仏をおがむ 身こそたのもし |
宗派 | 曹洞宗 |
法雲寺の境内には、谷水を引き入れた綺麗な池があり、その周囲は美しく刈り込まれたサツキで埋め尽くされています。
観音堂はこの池の奥、一段高くなったところに建っており秩父札所の中でもかなり古い観音堂といわれています。方形屋根三間四面の漆塗りのお堂は周囲の木々と調和してなお美しく見えます。
本尊は楊貴妃観音とも呼ばれる如意輪観音。
鎌倉建長寺の道隠禅師が、唐朝の玄宗皇帝が寵愛した楊貴妃の冥福のために彫刻し不空三蔵が開眼したものをこの地に招来安置したものといわれています。
住所 | 埼玉県秩父市荒川白久432 |
電話番号 | 0494−54−0108 |
御本尊 | 如意輪観世音菩薩 |
御利益 | 安産祈願 |
御詠歌 | いつしんに 南無観音と となうれば 慈悲ふか谷の ちかいたのもし |
宗派 | 臨済宗建長寺派 |
観音院の仁王像は高さ4mを越す秩父札所の中で随一の大きさを誇る石像で、1868年に長野の名工「藤森吉弥一寿」の作といわれています。
仁王門をくぐると岩壁の間に見上げるほど長く石段が続いています。
やっとの事で登り終えると三方を岩壁に囲まれた土地に三間四面の観音堂が建っていて、その左手にはかつて修行に使われていたという一条の滝が流れ落ちています。
観音院には東西二つの奥の院があり、岩壁を伝うようにアチコチに石仏が配されています。足下が非常に悪く危険なので現在は西奥の院は閉鎖されているようです。
住所 | 埼玉県秩父郡小鹿野町飯田観音2211 |
電話番号 | 0494−75−3300 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 諸願成就祈願 |
御詠歌 | みやま路を かきわけたずね ゆきみれば 鷲のいわやに ひびく滝つ瀬 |
宗派 | 曹洞宗 |
法性寺の山門は白木の精巧な造りで札所では唯一の鐘楼門です。
門をくぐり急勾配の石段を登ると右手に本堂があります。
この場所から正面を見ると正面の山の上に観音様が建っているのが見え、そこが法性寺の奥の院となっています。
観音堂は本堂のさらに奥へと石段を登ったところにあり、三間四面の吹き抜け構造のお堂です。
奥の院はそこからさらに道無き道を登ったところにあり、山の山頂にある船の舳先のような岩の上に大日如来が祀られています。
住所 | 埼玉県秩父郡小鹿野町般若2661 |
電話番号 | 0494−75−3200 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 般若の智慧 |
御詠歌 | ねがわくは 般若の船に のりをえん いかなるつみも 浮かぶとぞきく |
宗派 | 曹洞宗 |
八重桜が咲く参道を進んでいくと正面に「正大悲殿」という額を掲げた観音堂が建っています。
本堂の右手の壁面には有名な「子がえしの絵図」が掛かっています。秩父聖人といわれる井上如常が奉納したもので、嬰児殺しの悲惨な風習を戒めて、我が子を圧殺する母親の姿が描かれています。
本尊は一木造りの聖観音で、県の文化財にも指定されている藤原時代の秀作。
住所 | 埼玉県秩父市下吉田1104 |
電話番号 | 0494−77−0233 |
御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御利益 | 健康長寿 |
御詠歌 | 春や夏 冬もさかりの菊水寺 秋をながめに おくるとしつき |
宗派 | 曹洞宗 |
札所巡り最後のお寺となる水潜寺。
観音堂は寛政の頃、近隣の人々の寄進によって再建されたといわれている方形屋根、四間四面の建物で、周囲の清浄の雰囲気と調和した威厳あるお堂です。
観音堂の右奥の岩下に自然の岩窟がありそこから清水がわいています。かつては34ヶ所巡りを終えた人々が、ここで結願の水垢離をとって俗世に帰っていった場所です。
(現在は立ち入り禁止)
観音堂の前には結願の「御砂ふみ」があります。
黒御影石に二つの足形が彫ってあり、足形の上で拝むと百観音巡礼の功徳があるといわれています。
住所 | 埼玉県秩父郡皆野町下日野沢3522 |
電話番号 | 0494−62−3999 |
御本尊 | 千手観世音菩薩 |
御利益 | 諸願成就 |
御詠歌 | よろずよの 願いをここに 納めおく 苔の下より いずる水かな |
宗派 | 曹洞宗 |