自転車で秩父札所巡り > 020札所巡りレポート > 札所30番法雲寺〜32番法性寺
自転車で行く秩父札所巡りも2日目。
昨日1番から29番まで巡ったので、今日は30番から34番を廻りたいと思います。
昨日の29ヶ所に比べて、たった5ヶ所というのは一見楽勝に思えますが、それぞれの寺院の間が1〜2km程度だった昨日と違って終盤の札所はそれぞれ10km以上離れているのですよ〜
というわけで、予定走行距離は今日の方がちょっと長め。
余裕を持って廻るために早めに出発したいところですが、早く出ても納経所が開くのは8:00〜なので、その辺の時間を調整しつつ出発しましょう!
民宿 山宝は夕飯も多かったですが朝食もたっぷり(笑)
朝から満腹です♪
7:36
食事も取って準備万端。本日一つ目のお寺となる札所30番法雲寺に向けて出発!
1日目に江戸巡礼古道を離れた「道の駅あらかわ」付近まで戻り、そこから国道と併走する裏道を秩父鉄道白久駅方面へ向かいます。
裏道だけあって車も少なくて静かな朝♪
白久駅前から谷津川に沿って山を登っていきます。
途中、巡礼古道が民家の庭先を突っ切るような形になってたりしますが、すぐそばの一般道で迂回できるので僕はそちらを走りました。
7:53
登るほどに斜度がきつくなる坂を1km程登ったら札所30番法雲寺に到着です。
30番法雲寺は急な斜面に建つお寺ですが、境内はその斜面を活かした庭園になっています。手入れの状況も素晴らしく、入った瞬間「おぉ〜!」っていうくらい♪
納経所が開くのは8:00〜なので、境内をゆっくり散歩しましょう〜
観音堂の中には、本尊である楊貴妃観音にちなんだ寺宝なども展示されてました。
1〜29番を走った1日目とは趣が変り、今日廻る30〜34番はお寺とお寺の間隔がかなり広くなります。
その中でも30〜31番は17km程離れており、札所巡りの中で最も距離がある区間です。
先ほど登ってきた坂を白久駅前まで下り、線路沿いを三峰口駅の方へ走ります。
三峰口駅前はちょっと前まで運行していたロープウェイの恩恵か割と商店も多く、札所巡り後半のルートの中では数少ない補給スポットです。
31番へ向かうには、三峰口駅の西側にある白川橋で荒川の右岸へ渡り、国道140号の側道を贄川宿方面へ入って両神方面へと進路を取りますよ〜
贄川宿は、秩父往還の宿場として賑わった街です。
旧街道に沿って今でも古い街並みが残っており、かつての巡礼の雰囲気を体感できる場所でもあります。
この写真は、札所巡りが最高に盛り上がった江戸時代後期に建てられた「みどうがね」と呼ばれるお地蔵様です。
ここから先は基本的に県道37号を走ります。
かつての巡礼道は県道と異なる部分も多いのですが、その多くが未舗装路だと思われるので自転車的にはパスしたいところ(笑)
そんな旧道の一つが荒川西小学校の西側にあります。
ここは舗装されてはいるもののかなりの激坂〜。登りきった峠には贄川宿の人々が旅人の無事を祈って建てたという庚申塔が今でも残されていました。
道はアップダウンを繰り返しながら、古池の集落までは緩やかに登り基調で、その後、小鹿野町両神庁舎(旧両神村役場)付近まで気持ちいい下りとなります。
途中には、小森川を眺めるスポットや、近藤酒店の洋風な建物、両神温泉薬師の湯など、寄り道ポイントもあるので、ちょこっと立ち寄りながら進みましょう〜
県道沿いには、日本三体薬師のひとつという法養寺薬師堂もありました。眼病に御利益があるという有名なお寺だそうです。
薬師堂を過ぎてちょっと走ると、両神庁舎前にある交差点に到着〜
このまま県道を真っ直ぐ行っても良いのですが、両神中の西側あたりにかつての巡礼街道が残されているらしいのでそれを探しに行きます。
が・・・、結局見つかりませんでした(T T)
仕方なく中郷橋で薄川を越えて権五郎部峠方面へ。
札所31番観音院は、権五郎部峠を越えた辺りの国道299号から、岩殿方面へ入った辺りにあるので、ここから再び山登り開始です〜
と、登っている途中、視界が開けたと思ったら山肌に恐ろしいくらいの数のお地蔵様が並んでます!?
うぉぉ。。。なんだこれ?
谷の斜面の両側に赤い前掛けを付けたお地蔵様が〜
一見、不気味すぎる光景ですが、これは優生保護法制定(中絶の合法化)によって中絶された水子を供養するためのお寺で「地蔵寺」というそうです。
いや、しかし、やりすぎだよなぁ、あれは。
とか思いつつ地蔵寺の先のトンネルをくぐり500m程進むと札所31番観音院が見えてきました。
9:35
札所31番観音院は、切り立った岩壁の斜面にへばりつくように建てられたお寺で、まさに「山奥で修行してます!」という雰囲気が漂っています。
秩父市街にあった寺社とは違って、後半の寺社はどこも見応えがあって楽しいですね♪
296段あるという石段を登り観音堂の前までやってきました。
写真左には「聖浄の滝」が流れ落ちていて、滝のそばには不動明王も祀られています。
観音院には岩壁の斜面にそって東西二つの奥の院があります。
そのうち西奥の院の方が「冒険味」溢れるルートらしいのですが、現在は危険ということで立ち入り禁止になっていました。
東奥の院はちょっとしたハイキングコースのような感じで5〜10分くらいで廻ることができます。
奥の院はもちろんのこと、芭蕉の句碑や無数のお地蔵様、畑山重忠駒繋ぎ場など見所も多いので是非覗いてみてください。
僕の中では、秩父札所34ヶ所の中で一番お気に入りだったのが、ここ札所31番観音院ですね〜
続いて本日3つ目の寺院となる32番法性寺へ向かいます。
先ほど登ってきた道を国道299号の方へ下り、そのまま国道を真っ直ぐ東へ進むと小鹿野町の市街へ到着。
かつての巡礼道は、黒海土バイパス前の交差点を過ぎたところでY字路を右へ入り、小鹿野町役場のある旧道(県道209号)の方へ続いています。
歩きの場合、役所の裏手にある金園橋を渡って大日峠を越えていくらしいのですが、このコースは自転車ではちょっと無理〜
なので、自動車用のコースとして推奨されている県道209号に沿ってクアパレスおがのの方へ行ってみました。
そのまましばらく県道を進み「長若」の交差点を右折。
般若川の谷に沿って続く道を2km程緩やかに登っていくと32番法性寺が見えてきます。
10:43
山門の上部に鐘楼を収納した重厚な鐘楼門がある「32番法性寺」
それほど長くない階段を上っていくと、山と山の間に作られた静かな境内にたどり着きます。
観音堂はもうちょっと奥にあるのですが、ここで前方の山の上をよ〜く見ると山頂に観音像が建っているのが分かります。アレが奥の院です(汗)
本堂から奥に進むと、苔生した岩壁の際に舞台形式の観音堂が建っています。その裏には子育てに御利益があるというお地蔵様もあるので要チェック。
それにしても、札所巡りの寺院には「子育て」に御利益があるっていうのが多いですね。何か理由があるのでしょうか?
観音堂のすぐ下には大きな岩が重なり合うように形作った小径があり、コレが奥の院へと通じています。
「奥の院がある」と聞いては登らないわけにはいきません(笑)
歩く人もそれほどいないのか、道なき道といった感じの登山道。。。途中に岸壁を登る鎖場とかもあったりして確かにコレは過酷かも〜
そんなこんなでやっと頂上。
頂上のある大きな岩の突端には大日如来像がありました。
ちなみに周囲には囲いがないので脚を滑らせたら大事件です(汗)
法性寺の由来は、「船に乗って観音様が現れた」というものなのですが、奥の院にあたるこの場所にある大きな岩が船の舳先のような形をしているのと関係があるようです。
大日如来像から「舳先」の岩沿いに歩いていくと、観音像も建っています。
この岩の突端からの眺めは素晴らしく、苦労して上った甲斐があるなぁと思えます♪