立山黒部アルペンルートツアー♪
先日、テレビで放送されていた「黒部の太陽」を見ていたく感動した僕ですが、ちょうどオフで長野に来るという絶好の好機に恵まれたので、みんなが帰宅する中、自分だけもう1泊して立山黒部アルペンルートツアーを敢行することにしました。
増加する電力需要をまかなうために幕を開けた「世紀の大事業」、関西電力による「クロヨン」プロジェクト、7年の歳月と513億円の工費、そして1,000万人の人手を費やして作られた黒部ダムを見に行きましょう〜
ツアーと個人旅行どっちがお得?
今回は前日まで自転車旅行をしてからの立山黒部アルペンルートなので選択の余地はなかったのですが、普通に旅行に行くならツアーで参加した方がお得だと思います。
立山黒部アルペンルートの内、扇沢(長野側)から立山(長野側)の区間は一般車両の乗り入れはできません。もちろん自転車でも付加。なのでこの区間は観光用に整備されたトロリーバスやケーブルカー、路線バスなどを利用しなければならないのですが、コレが結構高い!
なんと片道通り抜けるだけで8060円/人!
しかも、途中の混雑等を考慮した上での通過必要時間は8時間となっており、通り過ぎるだけでも1日掛かるためどう急いでも1泊2日程度は必要です。つまり、現地での交通宿泊費だけで20000円程度は掛かるということ。
また、自家用車で行った場合、一方通行で通り抜けたら出発地に置いた車を回送して貰わねばなりません。このサービスがだいたい30000円/車程度かかります。
電車で行った場合は電車賃の他、扇沢もしくは立山までの交通費が掛かるので、一人頭合計で考えるとかなり高級な旅行になってしまいます。
一方、立山黒部アルペンルートを中心としたツアーでは、1泊2日の安いツアーだと20000円くらいから発売されています。費用的にも、またアレコレ調べたり計画したりする手間を考えても旅行会社のツアーがお手軽です。
まぁ、ツアーなので時間が拘束されたり少々面倒なこともあるのですが、立山黒部アルペンルートではそれぞれの見所であまりたくさんの時間を必要としない(つまりじっくり見るような場所ではない)ので、他のツアー客も時間をもてあましていた感があったりするので問題ないのではないかと思います。
扇沢から室堂までの旅
いろいろ考えた結果、今回の立山黒部アルペンルートツアーでは富山まで通り抜けるのではなく、ルート中最高地点であり「雪の大谷」で有名な室堂まで登った後、Uターンして戻ってくることにしました。
1日で見て回れるのはこれくらいで精一杯だろうし、何より反対側に車を回送しないで済みますから。でもその代わり交通費が往復で8800円/人かかりますが(笑)
この8800円はスタート時に往復割引切符を購入した場合の料金で、通常切符を購入すると11700円もかかるので、忘れずに割引切符を購入しておきましょう。(割引切符はスタート地点である扇沢のチケット売り場でも購入可能です。
扇沢のターミナルまでは、路線バスの他、自家用車でも登ることができます。なかなか景色の良いところなので自転車で登ってみたい気もします(笑)
扇沢のターミナルにはたくさんの駐車場が整備されているのですが、最も乗車口に近い場所だけ有料(乗用車1000円)、それ以外の駐車場はいくらも距離が変わらないのに無料となっています。100m位しか変わらないので空いてれば無料を使った方がお得です。
扇沢のバスターミナルは、黒部ダムの工事の際に建てられた資材置き場の建屋を改造して作られたモノだそう。一見してそんな雰囲気はないのですが・・・
ターミナルの1Fにある切符売場で、室堂までの往復切符を購入。
この往復切符ですが、天候不順やこちらの都合で上まで登れなかった場合でもちゃんと返金してくれる模様です。いくら帰ってくるのかは?ですが、チケットの裏にその旨記載されていました。
関電トンネルトロリーバスで扇沢から黒部ダムへ
立山黒部アルペンルートではこれから様々な乗り物を乗り継ぐことになります。
で、まず最初に乗るのが関電トンネルトロリーバス。
トロリーバスとは、国内でもここにしかないという架線から電気の供給を受けて走る電気自動車です。映画「黒部の太陽」の舞台となった資材搬入用のトンネル「関電トンネル」を走る距離6.1km・時間16分の旅。
コースのほとんどはトンネル内となっており景色を見ることができないのでどこの席に座っても一緒なのですが、敢えて選ぶなら先頭に乗りたいところ。これから進んでいくトンネルの様子が見れて楽しいですよ♪
また、トンネル工事の最難所であった破砕帯の場所には↑のような青いライトが点灯されていて、ここがあの場所か!と感慨深いモノがあります。
と、そんなことを考えている内に黒部ダム駅に到着。
バスを降りてからしばらく暗いトンネルの中を歩いて行くと・・・
景色が開けて、黒部ダムの風景が目に飛び込んできます!
あ、ちなみに今日はとても天気が悪いです(T T)
何しろ出発前の天気予報では雨って言ってたしね〜。なので写真が満足行く絶景ではないので、本当の風景は見に行くまでのお楽しみってことで(笑)
さて、ここでゆっくり比べダムを見たいところですが先を急ぐことにします。
これからどんどん人が増えてきて、各乗り物の渋滞が激しくなると予想されるので、登れるときにできるだけ早く登っておきたいのがホンネ〜
黒部ケーブルカーで黒部ダムから黒部平へ
続いての乗り物は最大勾配31度を登る「黒部ケーブルカー」です。
こちらも全線トンネル内で全く景色は見えません
黒部ケーブルカーの乗り場は黒部ダムを中心に関電トロリーバスの乗降場とは反対側にあるので少々歩きます。
黒部ケーブルカー乗り場では次の乗る立山ロープウェイの整理券が配布されるので忘れずに貰っておきます。ロープウェイはこの整理券の番号順に乗車時間が決まっているので、貰い忘れるとキツイですよ・・・
乗車待ちの間に係員の方がケーブルカーや立山黒部アルペンルートについて説明してくれます。アルペンルートでしか買えないという限定の写真集販売があったりもします。
31度という急斜面を登るので車内も階段状になっています。0.8km・5分の乗車なので座らないで最前位地に陣取って前方を眺めた方が面白いかも。
とはいえ黒部ケーブルカーも100%トンネル内を進むので、トンネルの壁以外の景色は見えませんが・・・
黒部平駅に到着〜
急な階段を上る形となり、バリアフリー的な設備はないので足腰が不自由な方は結構大変かもしれません。
黒部平周辺のみどころ
先に書いたように、次の乗車する立山ロープウェイは整理券の番号順での乗車となり、今回は30分の待ち時間。ここまでは見所をスルーしてきましたが、空いた時間で周囲を探索しましょう。
黒部平駅には割と大きなお土産物店、そば屋、レストランなどがあり、ロープウェイ待ちの人たちの多くが買い物中。なるほど美味い商売を考えてモノだと(笑)
名物らしい、「いか団子」
イカの風味がぎゅっと詰まった感じで確かに美味しいけど250円は高いか!?
大きなお土産物店では買い物をした際に5%OFF券をくれるのですが、既に自分お買い物は終了しているわけであり、コレをいったいどうやって活用して良いモノか悩ましいところです。
また、気になる部分を撫でると治っちゃう的な布袋様もいました。
黒部平駅の屋上は展望台になっていて、これまで登って来た道のりと、これからロープウェイで登る方角を一望できるのですが、今日はあいにくの天気のため全体的にぼや〜っとした感じです。
立山ロープウェイで黒部平から大観峰へ
立山ロープウェイの乗車時刻がやってきました。
このロープウェイ、何がすごいって、途中に支柱が一本もないんですよ!
景観を重視してこの構造になったということなのですが、距離1.7km・標高差488mを前後の駅だけで支えているというのはちょっとビックリですよね。
立山ロープウェイからの眺めは、山側から谷側を見た方がキレイ♪
北は五龍岳から南は針ノ木岳まで続く後立山連峰を一望できるはずなのですが、雲がかかって山並みを満喫することはできませんでした〜
立山トンネルトロリーバスで大観峰から室堂へ
さて、いろいろな乗り物を乗り継いできた立山黒部アルペンルートツアーですが、往路はコレで最後の乗り物となりました。
立山トンネルトロリーバスです。
最初に乗った関電トンネルトロリーバスと同様に電気で走るバスであり、また全区間トンネル内を走るので眺望が楽しめないのも同じです。
立山トンネルトロリーバスの乗車口は、下りの立山ロープウェイと同じ場所にあるため大混雑です。係員の方が集合の合図があるまでバラけるように言っているのですが、適当にバラけすぎるとトロリーバスで座れなくなったりするので微妙に位置関係をキープしましょう(笑)
立山トンネルを掘る際にも破砕帯があったらしく、その部分は青い照明が点灯しています。
立山トンネルトロリーバスは3.7km・約10分ほどの乗車で本日の最高標高地点となる室堂に到着します。
室堂で雪の大谷を満喫する
室堂に到着するトロリーバス。
この建物を出れば、あの有名な景色が見れるのか?
立山黒部アルペンルートと聞いて最も最初に浮かぶ風景が、大きく切り立った雪の壁の中をバスが走っている光景です。
バスの何倍もの高さがある雪の壁は、関東地方で普通に暮らしていては絶対に見ることがない景色なのでコレは一度みてみたいと思っていたわけです♪
では早速〜
えっとその前に、途中で貰ったパンフレットによると、室堂ターミナルに隣接する立山自然保護センターで「ナチュラリストによる自然観察」なる面白げなツアーが開催されているそうです。しかも無料。
時間的にも午前の部が9:00〜&10:30〜と我々の到着(10時頃)とぴったりだったので、先にこちらを満喫していくことにしましたよ。
立山自然保護センターを出ると、いきなり切り立った雪の壁が!
目がくらむほど白いとはこのことか!?と思うほど、視界のほとんどが白もしくは灰色に染まった世界です〜
こちらは雪の大谷ではなく雪の回廊と呼ばれている方で、高さ的にもそれほどではないのですが、初めて見ると圧倒される風景です。
雪の回廊を抜けると、これまた雪景色。
天気が良ければ抜けるような青空と雪山の対比が楽しめるらしいのですが・・・
とか思っていたら、どんどん天気が悪化・・・
雨は降るは、途中で雪になるは、風はすさまじく吹いてるはで、大変なことに。
こういう天気だとかなり厚着を用意してこないときついですね〜
実際、僕は関東地方の冬に標準的な(Tシャツ+フリース+厚手のジャケット)といった感じの服装だったのですが、あまりの寒さに凍えるかと思いましたよ。
ところで、自然観察ツアーの目的の一つに、雷鳥観察があるわけです。
特別天然記念物となっているライチョウは、日本全国で3000羽程度しか生息していないというかなりレアな鳥です。
せっかく登ったので是非に・・・
という参加者の願いが通じたのか現れてくれました!
ラッキー♪
さて、ライチョウも見て満足したので、いよいよメインイベントである雪の大谷へ行きましょう!
す、すげぇ!
あいにくの天気で青空とのコントラストは望めないモノの、それを置いても凄い!
よくもまぁ、こんなにどっさりと雪が降り積もったものだと感心してしまうくらい〜
今年の積雪は15mということで、最も高い雪の壁は15mもの高さがありました
写真ではちょっとよく分からなくて残念なのですが、ホント見上げるほどの高さだったんですよ。
ホントなら展望も楽しめるはずなのですが、もうさっぱり。
さすがに雪だか雨だかが降る外は寒かった〜。室堂ターミナル内の「立山そば」は大繁盛の様子。
いや〜、天気はかなり悪かったけど、それなりに雪の大谷と室堂周辺を満喫しました♪
寒いし、時間も結構経ったのでそろそろ下山しようと思います。
下山は、ここまで登って来たのと同じルートを下るだけなのですが、早く登ることを優先して途中の見所を飛ばしてきたので寄り道しながら帰ろうと思います。
大観峰展望台
ロープウェイの大観峰駅は岩壁から迫り出すように設置されており、その屋上はアルペンルートの中でも随一の展望スポットなのです。後ろ立山連峰と、その手前をゆっくり登ってくるロープウェイは立山黒部アルペンルートの代表的な風景と言っても過言でもないのですが・・・
もう、半分吹雪みたいになっててさっぱり見えなかった(T T)
黒部ダム周辺
北アルプスの雪解け水を集めて流れる黒部川の峡谷を堰き止める黒部ダム。
難工事の末に完成した黒部ダムは高さ186m、長さ492mというすさまじい大きさです。
こんな巨大のモノを作れるなんて、人間の力は凄いなぁと改めて思うのです。
切り立った岩壁にダム以外の巨大な構造物が!
ダム全体を見渡すためには黒部ダムレストハウスの屋上にある展望台がオススメです。
天気が良ければ展望を楽しみながら登れる屋外階段も使えるのですが、今日は何しろ天気が大荒れなので外階段は封鎖中・・・
代わりに屋内に続いている220段の地中階段を上ります〜
地中階段の途中には、工事関係者を悩ませた破砕帯からの湧き水が引かれています。
長い階段なのでコレは嬉しい〜
そしてダムの全体を眺めることができるこの景色!
デカイ!そして凄い!
立山黒部アルペンルートとお別れ〜
楽しかった、立山黒部アルペンルートとともそろそろお別れです。
最後は関電トンネルトロリーバスに乗ってスタート地点である扇沢駅へと下ります
扇沢駅にはいくつかのおみやげ店もあるので途中で荷物を増やすよりはこちらで買った方が良いのかもしれない。
と、最後に・・・
アルペンルートの様子を動画で撮影してみました♪
中学生の頃、家族旅行で行ったときは、扇沢〜黒部平までが精一杯でした。金銭的に(笑)5人家族ですからね。
登山をしていた頃も剣岳へ行くのに2回くらい利用したことがありますが、立山側で室堂までならば、ケーブルカー+普通のバスで料金はそれほど高くなかったような。
室堂から剣御前で稜線を越えて、剣沢から仙人谷を下って、阿曽原からは黒部川を水平歩道で欅平まで。黒部峡谷鉄道+富山地鉄で魚津or富山へ抜ける旅は素晴らしかったですよ。富士登山の実力を持ってすれば大丈夫!
室堂!懐かしいですっ。
山スキーの初滑りは毎年ここでした〜
10年くらい前、慰安旅行で行きました(私が企画したのですが)。
室堂まで往復する料金の高さに唖然としたことを覚えています。6月だったのでここまで雪は残っていませんでしたが、晴天だったので室堂でみくりが池まで歩きました。
そりゃもう絶景で、雷鳥もたくさん見て大興奮でした。昨年、栄村の帰りに久しぶりに立ち寄ろうかと思いましたが、交通費の高さ、時間がかかる、悪天候で断念しました。また行きたいですね。
>genさん
料金的には、立山側から登った方が圧倒的に安いんですよね、景色が良いところも多いし、温泉もあるし〜
我が家も2人で行ったんでめちゃ費用が・・・
>えんそくさん
今回もスキーを担いでいる方がたくさんいましたよ〜
山頂までリフトがあるわけではないのに、みんな頑張るなぁと思いながら見てました(笑)
>martyさん
僕も調べたときにはビックリしました。
日本一高級な山登りかとw
しかも天気が悪かったので、かなり悩んだのですが、とりあえず登ってみました。そしてリベンジの必要性を感じました(T T)
天気が悪かったのは残念でしたね。
しかし、写真を見て、高山ならではの厳しい自然の中に、ある種の美しさを感じました。これはこれで得難い体験のように思います。
実際にその場にいたら、とても美しさを味わう余裕はないかもしれませんが。
もし、知らなかったならば耳寄りな話ですよ。
黒部ダム建設に際して作られた工事用トンネル3ルートのうち、唯一非公開の「黒部ルート」が見学できるそうです。
http://waga.nikkei.co.jp/hobby/study.aspx?i=MMWAi1000010042009
ダムには37年くらい前に家族旅行で行きました。
当時も高い金取られたのでしょうかね?
(自家用車持っている家の方が少ない時代だったと思いますので、今より規制は少なかったのだと思いますが・・・)
>乾し肉さん
雨は降るは寒いはで、鉱山の厳しさを思う存分満喫(?)できました(笑)
これはこれで、楽しかった。。。ということにしておきましょうw
>genさん
こ、これは、是が非にでも行きたくなるような情報ですね〜
家族会議が必要かも!
>羽ぴょんさん
よく知らないのですが、昔は車でも登れたのでしょうか?
せめて富山側から自転車だけでも入れてくれたら・・・なーんて思ってみたり。