東日本大震災のボランティアツアーに行こう!
2011年3月11日。
あの日、会社をサボ・・・いや有給を頂戴して埼玉の自宅でダラダラ過ごしていた僕は、築27年の我が家がつぶれんばかりの大きな揺れに心の底から驚いたのを今でもはっきり覚えています。
幸い我が家では棚が崩れたぐらいでそれほど大きな被害はなかったのですが、テレビをつけると地震に続く津波によるあまりにも悲惨すぎる映像が繰り返し繰り返し流れて、その恐怖と無力感にしばしボーっとしてしまったり。
とはいえ・・・
その後は、募金したくらいで特に東日本大震災に関わることなく生活していたのですが、先日、友人が面白い事を教えてくれました。
最近、気軽に参加できるボランティアツアーなるものがたくさんあるのだよ、と。
ボランティアツアーとは?
東日本大震災のボランティアツアーは、旅行会社や地域の社会福祉協議会などが主催し、初心者からベテランまで被災地でボランティアしたいという人をまとめて連れて行ってくれるシステムです。
いわばボランティアのパックツアー
災害復興ボランティア経験が無い人がいきなり行っても迷惑なだけだし、しかし経験者だけだと人数に限りがある。それなら、きちんと管理した状態でボランティア初心者を連れて行って、現場での指導をしながら簡単な作業をしちゃおうというのがボランティアツアーの趣旨(だと思う)。
震災復興のために何かしたいけど、一人じゃ何も出来ないし・・・
っていう方にはピッタリなシステムだと思うのですよ♪
準備や必要など道具は?
一口にボランティアツアーといっても結構いろんなのがあり、道具は全て自前&全車中泊でストイックに作業しまくるものから、温泉やグルメ付き&道具も全て用意してくれる至れり尽くせりのものまで様々。もちろん値段も内容によって異なり2~3千円のものから数万円のものまでいろいろです。
後者について批判的な人もいるカモですが、それはそれで疲弊した東北の観光に貢献し、実際、助かっている人もいるので視点を変えてみれば良いのではないかと思います。僕はアリだと思う。もっとも被災地の旅館で飲んだくれるのは少々気が引けますがw
そんなこんなで、僕が今回参加させていただいたのは、「絆ジャパン」という団体が主催する日帰りボランティアツアーです。こちらはどちらかというと前者よりで道具などは基本的に全て自前で準備といいうことだったので以下のような物を買ってみました。
長靴、防塵マスク、革手袋、ウェットティッシュ、作業着、カッパ、塩飴、タオル×3枚
この中でも必須だと思ったのが防塵マスクと革手袋。
被災地は何しろほこりが凄くてマスクがないと大変なことになります(今回は天気が良かったのでなおさらですが)。
また、作業時は軍手で十分だと思っていたのですが革手袋の方が水濡れに強いし、保護性も高いので圧倒的に使いやすいです。
あと、暑い季節は塩飴などで塩分補給も重要かな~
今回忘れて失敗したのは日焼け止め・・・
作業は炎天下で行われることもあり日焼け止めは必須です。
ボランティアバスツアー参加レポート!
というわけで、前置きが長くなったけど今回参加した絆ジャパンのボランティアバスツアーの様子を紹介します。
集合場所である武蔵浦和駅に到着すると数名の方が集まっており受付後、順次バスに乗っていきます。既に数回参加して知り合い同士の方もいるようですが、ボランティア自体が初めてという方も3割くらいいて一人参加の割合がかなり多かったのが印象的です。
みんな知り合い同士とかだったら寂しいな~と若干不安だったのですが余計な心配でした(笑)
と、もう一つ心配だったのが、そもそも「絆ジャパン」ってどんな団体よ?ってことです
事前にネットで調べた限りだとあまり情報が無くて、「万が一、なんかの宗教とかだったら困るなぁ」と思ったりもしましたが、会場でそれが明らかになりました。
どうやら元衆議院議員の田中良生氏の事務所が後援している団体らしく当日はご本人が挨拶に来ていました。なるほど、こういう活動を独自に行っていく実行力は政治家マターだよなぁ。
参加希望者が多かったようでバスは満席。補助席まで利用する勢いです。
今回、ボランティアに向かう小名浜までは2~3時間なので問題ないですが、岩手や宮城まで行くなら席が狭くてバスの中で疲れ果てちゃうかも。
途中で2回ほどPAエリアに立ち寄って休憩をとりつつ被災地へ向かうわけですが、途中で仮設住宅用の資材を積んだトラックとかがあって近付いていることを実感します。
絆ジャパンのボランティアツアーでは毎回、福島県の小名浜周辺を支援しているみたいで、今回も常磐道のいわき勿来ICで降りて市街地を走ります。
初の被災地入りということでどんな風景が待ち受けているのかとドキドキだったのですが、この付近は津波による被害が甚大ではなかったようで割と普通の風景が広がていました。よくみると住宅の瓦が崩れているところも多く津波より自信による被害のほうが大きかったみたい。
しばし走ってボランティアセンターに到着。
ボランティアセンターでは被災地からのニーズを取りまとめて、ボランティアに適切な仕事を割り当てたり、必要な資材を貸出したりしてくれるみたい。
スコップや土嚢袋など作業に必要なものから個人的に使用するゴーグルやマスクまで様々な道具が準備されていてビックリ。また、トイレや着替えなどもこちらのボランティアセンターで借りることができます。
今日の作業は永崎という場所。
センターにあった被害状況写真を見たらものすごいことになってるんですが・・・
被害状況の写真に、「あぁ、被災地にやってきたんだなぁ」と感慨深く思いながら移動のために再びバスへと戻ります。
車内ではセンターのスタッフの方からボランティア参加に当たっての注意事項説明が行われます。
説明の中で、気をつけねばと思ったのは写真の件。
僕はどこに行っても突撃写真撮影しちゃう子なのですが、個人のお宅などを撮りまくるのは被災者の方を傷つけることになるということでNGとのこと。なるほど全体的な風景だけにしよう。
現地の様子と作業内容
今回のボランティア作業として割り当てて頂いたのは永崎地区での側溝の泥だし作業。
永崎地区はとってもきれいな砂浜が続くリゾート的な場所。
普段だったらきれいな海を眺めつつのんびりしちゃう場所なのですが、ここにも津波は押し寄せたのだそうです。
なにか大きなものがぶつかったのかぐにゃりと曲がるフェンスや大きくひびが入った堤防など、震災から4ヶ月が経過して大分キレイに整備されているもののまだまだ傷跡が生々しく残っていたりもします。
また、奥に見えるお宅も1Fの高さくらいまで海水につかったらしく、1F部分が破損していたり、リフォーム作業のために部材がすべて取り外されてたりして痛々しい。
とはいえ、この付近は岩手などと比較すると被害は大きくなく、少しづつ普通の生活を取り戻しているかに見えます。地元の方の話を聞いたところ1週間くらい前にリフォームが終わってようやく戻ってきたところだと話していました。
さて、本日の作業は津波によって埋まってしまった側溝の泥だしです。
ボランティアセンターでお借りしたスコップやら土嚢袋やら側溝蓋開けマシーンやらを使ってどんどん作業していきますよ~
しかし・・・
今日は暑い!超暑い。雲ひとつ無い快晴の空の下、ひたすら蓋を開けて泥を掻き出す作業はほんと辛いです~。これは真夏のボランティアとか減りそうだなぁ。。。
何気なく空き地と快晴を撮影したつもりでしたが、以前この場所には2件の民家と工場があったと地元の方から聞きました。
こちらにあったお宅は津波で手前側にある山のところまで流されてしまったのだそうです。
約3時間の作業で100m程の清掃が完了!
積み上がった土嚢袋を見て灌漑もひとしお~
ボランティアツアーの感想
今回のボランティアツアー、最初のバスの中で自己紹介的なことをしたのですが、その中で感銘を受けたのが「楽しんでやりましょう」という言葉。
被災地を支援するのに楽しむ?と疑問に思う方もいるかも知れませんが、これは非常に大事なことだと思うのです。実際、僕は楽しかったです。今日あったばかりの見知らぬ人たちと力を合わせてひとつの目標に向かって作業するなんてなかなかあることではないですし、それが少しでも世の中の役に立ってるなら「楽しい」ですよね。
今日の作業で掃除できたのはたったの100m程。
三十数人がバスに乗ってきて半日作業してたった100mしか進みません。
だからこそ、コツコツでもこういったことが続いていかなければならないと思いますし、そのためには「楽しむ」という要素は多かれ少なかれ必要だと思います。
現地に行って作業することばかりが支援だとも思いませんが、(言い方悪いけど)ちょっと普通ではできない体験だと思って参加してみると意外に楽しいのではないかと。ボランティアセンターがあるので、現地に行けばなんの技術もない初心者でも何かの役に立てる仕組みが作られてますしね~
僕も「とりあえず1回試しに」と思って参加したのですが、また機会があれば行ってみたいなと思ってます♪
今朝のニュースで、被災地の側溝掃除の話をやっていました。タイミングいいな。
大雨が降ると排水出来ずに洪水を引き起こし、平時でも水溜りのせいでハエや蚊が発生し衛生面で問題があるなど、思ったよりも深刻なことのようですね。
作業も重機が使えない上に、カチカチに固まった泥や大きな石などが入り込んでいて人力では重労働ということで、おつかれさまでした。
素晴らしい! お疲れさまでした。私も行こうと思いつつ、強行軍的なものは体力的に無理で、かえって迷惑かけそうで行かず仕舞いです。今からは暑くて、更に無理(自分の体力が)な気がしています。
>genさん
これから夏にかけてこういった地味なボランティアは人手不足になるそうなので、その辺もあっての放映でしょうか。。。
ホント、かなり重労働で、翌日腰が痛かったですよ(笑)
>martyさん
いやいや、今回も結構お年を召した方も多くて、みなさん、自分のペースでそれなりに参加してました。
ただ、これからの季節は暑すぎるのでもうちょっと涼しくなってから・・・というのもアリかもしれないですw