ペニーオークションは詐欺っていうか問題だらけ
最近あちこちの広告で見かけるペニーオークション。
家電製品やゲーム機がありえないほど激安で買えるっていう広告をバンバン打ってて(ウチのサイトのGoogle広告にも結構出てる・・・)、思わず気になってしまいますが、アレは詐欺とまではいわないけど問題が多いシステムなのでネタとして取り上げておこうかと。
ホラ、今もiPadが90%OFF!なんてスパムメールがw
ヤフオクと何が違うのか?
オークションといえばヤフオクですね(笑)
ヤフオクとペニーオークションの最大の違いは、ペニーオークションでは入札するだけで費用が発生するということです。
この費用、商品を落札できても出来なくてもきっちりとられます。
問題点を明らかにするために某インターネット大手企業D社のシステムを例に実際の流れを見ていこうと思います。
某D社が提供するオークションでは入札するために「ポイント」が必要で1入札あたり60ポイント消費します。ちなみに1ポイントは1円なので1回入札する度に60円掛かることになります。
一見、それくらいならいいんじゃない?って思いますが、ペニーオークションではヤフオクのような落札希望価格があるわけではなく、購入したいという意思表示を行うことで値段が吊り上がって行く仕組み。で、一人が意思表示をする度に規定の金額ずつ値段が上がっていきます。
たとえばこの記事を書いている時点で出品されているiPad 64GBの場合。
この商品は「5円入札」となっているため1入札希望ごとに5円値段が上がります。そして1回入札があるごとに15秒終了時間が延長される。
そんで、ライバルが購入を諦めるまでなんども入札&延長が繰り返されて最終的に勝ち残れば落札となるのですが、欲しい人は締め切り直前に入札してくるのでいつまで経ってもオークションが終了しません
仮にこのiPadが10,000円で落札できたとしましょう。
超お買い得ですね、これだったら。実際、過去の実績を見るとこれくらいの金額で落札されてるし。
しかしそう単純ではありません。
0円スタートで入札ごとに5円値上がりして10,000円になったということは2,000回の入札があったということです。
現在の入札履歴を見ると5人の方が竸っているようなので、このまま行くと一人当たりの平均入札回数は400回。1回あたり60円の費用がかかりますから一人頭24,000円分のポイントが必要ということになります(途中で誰かが諦めたらもっと・・・)
つまり合計は34,000円
今日の時点でiPad 64GBの価格.com最安値は65,000円くらいですからこれでもお得に見えます。
書いているうちに僕もやりたくなってきました(笑)
だって、これじゃ出品者である某D社は大赤字ですし、半額でiPadをゲットできたらハッピーじゃないですか。
落札された商品の履歴を見ると、コレくらいの割引率の落札はたくさんあって、なんだかお得に買物ができそうです。
どこが問題なの?
なんだかお得なシステムに思えるペニーオークションですが、ここで落札できなかった人に注目してみたいとおもいます。
先の仮定に従えば、4人のライバルが落札できなかったことになります。
彼らもそれぞれ24,000ポイントずつ消費しているわけですが、手元には商品が届くわけではなく、単に24,000円をドブに捨てただけです。
なんという悲劇!
買えもしない商品のために24,000円も消費してしまうとは・・・
ちなみに某D社では落札できなかった場合に、併設するネットショップで使用したポイントの半額(12,000円)引きで商品を購入することが出来たりもしますが、実際には通常販売価格の12,000円増で購入することになるので、こんなボロい商売はありませんw
65,000+24,000-12,000=77,000円ですからね。。。
巧いこと考えるなぁとホレボレします(笑)
さて今回のオークションで出品者である某D社が得た収益はいくらでしょうか?
落札金額10,000円+入札費用24000円×人数5人=ですから・・・
なんと13万円!!
価格コムなら65000円で買えるiPad 64GBをペニーオークションにしただけで、出品者は130,000円も手に入れられるわけです。なんというぼろ儲け!
このシステム考えた人は天才ではなかろうか!?
あ、ちなみに。
勘の良い方は気がついたと思いますが、このシステムではスタート価格が安いほうが儲かります。「0円スタート!」とか煽っている会社とかどんだけアレなんだとw
さらに巧妙な罠が・・・
ここまで読んで、そんな12,000円もつぎ込むまで入札しねーよ、と思った方もいるかも知れません。たしかにその通りなのですが、このシステムの凄いところは、一人が何度入札しようとも落札金額が10,000円なら出品者の手取りは一定だということです。あとは他の参加者が吊り上げてくれます。
だからサクラが必要なんですねw
さらに恐ろしいのは、損したくないという心理。
自分が入札している場面を想像してみるとわかります。
0円から始まったiPad 64GB、この記事を書いているうちに現在の価格は4,165円になっています。
ライバルは5人。
入札回数は832回ですから一人あたり166回ほど入札していることになり、貴方はすでに9960円(166x60)を使っていることになります。
果たしてこの時点で入札をやめられますか?
あと1回入札すれば格安でiPadを入手する権利はあなたのものかもしれないのに・・・。65円をケチってあとで後悔するのかい?って心のなかで悪魔がささやきますよ。それも15秒ごとになんども・・・
自分が勝ったらという視点で考えれば、15000円以下でiPadが手に入るっていうのに!?
そんなわけで引くに引けない戦いが繰り返され、最後にひとりだけの勝者とその他大勢の敗者が決まるのです。
それでもペニーオークションに参加しますか?
もうお分かりと思いますが、ペニーオークションは出品者がぼろ儲けするシステムです。
しかもさらに悪質な業者になるとサクラなんかもいたりして、商品すら販売していないという噂も。だってサクラに落札させちゃえば商品を送る必要もないし、ポイントだけ丸儲けだしね~。
検索すると、〇〇のIDがサクラっぽいとかいう議論が出てきますが、そもそも、それ以前の問題として参加する意味が無いように思えるのですが、どうでしょうか?法律的に詐欺ということはできませんが、運がよければ安く落札できるかも?とか考えちゃう脇の甘い人をカモにするためのシステムではないでしょうか?
まぁ、それでも「俺は最後に勝ち残る一人になるぜ!」という人は止めませんが。ギャンブルとかと一緒だと思えばそれなりに楽しいだろうし(笑)
ペニーオークションサイトに出ている妙に激安すぎる落札価格の裏には、こんな風に巧妙な仕組みが隠されていると思うと、なんだか胸に熱いものがこみ上げてきますね~
みなさんはくれぐれもこういった業者を儲けさせないように(笑)
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