箱根旧街道ハイキング 畑宿・甘酒茶屋~箱根関所

箱根旧街道を箱根湯本から箱根の関所まで登るハイキングのレポート2本目です
前半の記事は「箱根旧街道ハイキング 箱根湯本~畑宿」になりますのでもし良かったらそちらからどうぞ♪

大澤坂を抜けると旧東海道の小田原宿と箱根宿の間の宿「畑宿」に到着します。
間の宿(あいのしゅく)とは宿場と宿場の間に発展した休憩用の町場のことで、宿場間の距離が長かったり峠などで旅人の負担が大きい場所に発展したとされています。

旧東海道には畑宿と合わせて8箇所の間の宿があったとされていますが、さすがに東海道一の難所、昔の人々も苦労して登ったことが伺えますね。

大澤坂を出るとすぐに畑宿に入ります。
さっきまでは鬱蒼とした森の中だったのに急に民家が建ち並ぶ集落になるのが不思議~

間の宿である畑宿は正式な宿場町ではないため旅人の宿泊は禁じられており旅籠は存在しないとされていましたが、実際は名目上の決まりとなっており宿泊も可能だったみたいで、ここ畑宿にも本陣が存在していました。

上左の写真がかつての茗荷屋本陣跡で、今でも小さな庭園が残されており、かつてハリスやヒュースケンなどの幕末外交の使者もこの庭園を見たというエピソードがあるそうです。

茗荷屋本陣跡を通過してさらに進むと、一般道は上右の写真「箱根寄木細工すぎや」の前で大きくカーブしていきますが、箱根旧街道はここを直進します。

上で書いた「すぎや」で何か食べ物が売ってないかな~と思っていたのですが、どうやら営業していない様子。やれやれ、お腹が空いたのに・・・と思っていたら旧街道をちょっと進んでところで「そば処桔梗屋」を発見。

名物のざるとろそば:890円を食べました。
特にコレっていうこともなく普通のそばだったかな~

そば処桔梗屋を出てすぐのところにある畑宿一里塚
なんと両側の塚が二つとも当時のまま残されています!コレは珍しい♪

畑宿一里塚は日本橋から数えて23里目(90.3km)の一里塚~

箱根旧街道の石畳はここからが本番!
西海子坂、橿木坂、猿滑坂、追込坂を経て天ケ石坂まで登り坂の連続で途中にはかなり長い急坂の階段を登ったりもします。

結構斜面がキツイですが、森の木陰を歩く石畳の道は気持ち良い♪

自転車で箱根を登る際にもっともキツイのがここ七曲りですが、箱根旧街道ではこの七曲りの坂をくねくね曲がることなく真っ直ぐに直登します。

その中でも東海道名所日記に「険しきこと道中一番の難所なり」の難所なりと紹介され、「橿の木のさかをこゆれば、くるしくて、どんぐりほどの涙こぼれる」と詠まれているのが橿木坂!

130mの距離で40mの高低差を登るというのだからハンパではありません。

現在は階段になっていますが、それでも凄い坂で、これを階段無しで登ったらそりゃ大変だったろうにと・・・

しばらく激坂を登ると見晴橋のところで分岐路になっており、真っ直ぐ進むと樫の木平に続く一般道、左に折れると引き続き旧街道で元箱根方面へ向かいます。

見晴橋って名前からするに、激坂を登って振り返ると素敵な景色が・・・、と思うも森が深すぎて展望は開けてませんでした(笑)

見晴橋の分岐を左に向かい引き続き箱根旧街道を登ります。
いくつかの橋を越えて猿滑坂を登ると再び一般道に合流して歩道を歩く形になります。

猿滑坂の案内看板には「殊に危険、猿候といえどもたやすく登り得ず、よりて名とす」とその名称の由来が書かれています。どんな無茶な坂だよ・・・と思いますが、一般道を造成する際に削られてしまったらしく今は残されていません。

また、猿滑坂へ向かう旧街道の途中には見晴茶屋に登る階段があり、ここを登ると数少ない食事スポットがあります。

猿滑坂を過ぎるとつづら折れの一般道に沿って歩く形になります。
斜面に沿って歩く場所ではなかなかの見晴らしを楽しむことが出来ます。

で、そのまま歩いていくと右手に「追込坂」の案内看板が登場。
この奥にも旧道が残されており、一般道からちょっとだけ離れる形で続いています。

追込坂という名前からして、ここまで登って疲れた旅人を追い込むほど酷い坂が!?と思ってしまうところですが、実際はその逆で、ほぼ平坦に近い緩やかな散歩道となっていました。

追込坂進んで行くと見えてくる藁葺き屋根の建物が「箱根旧街道資料館」

箱根旧街道資料館の中には無料の休憩所や箱根旧街道に関する資料の展示など、旧街道を歩くなら覗いておきたい物が盛りだくさん。時間に余裕があったら覗いてみるのもイイカモ♪

さらにその隣にあるのが甘酒茶屋。
江戸時代から営業しており、当時は小田原へ入る諸大名がここで休憩したことでかなり繁盛したということですが、今でもハイキングで箱根旧街道を歩くお客で賑わっています。

ちなみに名物の甘酒は400円と高級なのですが、ペットボトルのお茶は120円くらいと普通より安く販売されているという不思議なお店です(笑)

あまり歩きたくないけど箱根旧街道の石畳を歩いてみたい!
という場合は元箱根までバスで登ってからここまで歩いてきて甘酒茶屋からバスで下る、もしくはここまでバスで登って元箱根まで歩くというルートがお薦め♪

甘酒茶屋から元箱根まではほとんど一般道を歩くことなく石畳の遊歩道で行けるので、いいとこ取りのコースになってます~

箱根湯本を出発してから約10km。
箱根湯本まではあと1.2kmとなりました。山桜も応援してくれてるぞ!

ところで、長いこと石畳を歩きながら思うことは、コレって意外に歩きにくくないかい?ってことです。石にサイズはバラバラだし凸凹してるので脚に結構負担が掛かります。

ってこれ、実はわざとやってるらしいのです。
西国からの防衛のために東海道の大井川に橋を架けなかった話は有名ですが、最大の難所といわれる箱根の道を歩きにくくすることで防衛上の配慮をしているということらしいんですよね~

ドロドロよりは歩きやすく、でもあまり完璧じゃ困る、微妙なバランスみたいですw

上右の写真の大きな石は、変更石といわれる巨石で、秀吉が小田原征伐の際に、ここで弁天のお告げを聞き引き返したという伝説があるらしいのですが、隣に天ヶ石坂と書かれた小さな碑があるだけで、特に説明等はないみたいです。

甘酒茶屋から1km程歩いたところで石畳の旧街道は最高地点となり、そこから先は芦ノ湖に向かって下っていく形になります。

途中には、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と刻まれた箱根八里の碑などもあります。

そして権現坂のところでついに芦ノ湖が見えました!
うぉ~、なんかやり遂げた気がする~。昔の人もこの景色を見てホッとしたのでしょうか

昔の旅人も一息ついて箱根に来たことを実感したという権現坂。
下りの斜面はかなり急で雨の後とかは危険なくらい滑りそう~

さらに下ってくると木造の歩道橋がありその先には箱根名物である旧街道の杉並木が続いています。400年近い歴史を持つという箱根の杉並木は1本1本が太くて立派!

そして元箱根に到着~。箱根湯本を出発してから5時間が経過。
箱根神社の大きな鳥居と地蔵信仰の聖地である賽の河原がお出迎え♪

ところで、不思議なことが一つ。
この場所の地名は元箱根なのですが、何故「元」なのかと?

江戸幕府が東海道の小田原と三島の間に宿場を計画した際、既に現在の元箱根の場所に宿があったのですが箱根神社の門前町に近いということでこれを移転して新たな宿を作りました。

それで、新たな宿は箱根の関所と箱根峠の間に設けられ、もともと宿があった場所は「元箱根」になったと。

とりあえず芦ノ湖を眺めながら小休止。
空気の澄んだ日なら芦ノ湖の向こう側に富士山を望むことが出来るのですが、今日はあいにくの黄砂日和で富士山は見えませんでした。

芦ノ湖を見て終了でも良いのですが、せっかくここまで来たので旧街道の杉並木や再建された箱根関所を見ていきましょう。

元箱根から国道1号線を南へ。
すると大きな杉並木が続く途中に葭原久保一里塚を発見!

ここから関所の手前まで杉並木の中を歩く遊歩道が整備されています。

いいね~、この杉並木の雰囲気♪
杉並木は江戸幕府が旅人に日陰をもたらすために植えたもので、樹齢350年以上の大木が400本以上残されているそうです。

杉並木の遊歩道を抜けて恩賜箱根公園南側の切り通しを抜けると・・・

箱根関所に到着!
箱根関所は、江戸時代の主要道路である東海道を監視するために設置された重要な関所で、旅人が関所を通る際には様々な検査が行われました。歴史の授業で聞いた「入り鉄砲」と「出女」とかまさにここでチェックしてたという事ですね!

箱根関所は入場料が500円かかるのですが、これは関所内の展示物を見る際に必要なお金で昔のように通行料というわけではありませんw なのでただ通過するだけなら無料♪

箱根の関所が活躍した江戸時代、関東とは幕府所在地の江戸を中心とする坂東8か国であり、ここ箱根はまさにその西の端にあたります。つまり、ここより西側は関西ということになり。関所を通り抜けた僕は関東から関西にやってきてしまったことになります(笑)

まぁ、ちょっと乱暴な話というか関東主眼の話ですがw

さて、箱根関所を見て満足したので帰路につきたいと思います。
近くにある関所跡入口バス停からバスに乗っても良かったのですが、恩賜箱根公園の辺りを散歩してみたかったので、元箱根のバス停まで歩いて帰ろうかと思います。

で、恩賜箱根公園の外周を廻る「湖畔路」へ。
これがかなりアップダウンがあるハードな散歩道!

途中には塔ノ鼻から芦ノ湖を眺める展望スポットなどもあるのですが、箱根湯本から散々登った後にこのコースは正直きつかった・・・

で、最後は恩賜箱根公園の中をプラッと歩きながら二百階段を下って、かつて東海道の名橋と呼ばれた石橋の一つである「芦川橋」を眺めつつ元箱根へ。

元箱根からは真っ直ぐバスで小田原まで下ることも可能なのですが、せっかくなのでスイッチバックで有名な箱根登山鉄道で下ってみました。

元箱根からバスに乗り小涌谷で下車。
歩いてすぐのところに小涌谷駅があるのでここから箱根登山鉄道へ~

というわけで、箱根旧街道ハイキングもこれにて終了です。
箱根登山鉄道で箱根湯本に着いたのは18時頃だったので、ウォーキングで登って箱根関所まで行き、バスと箱根登山鉄道で降りてくるまでで8時間程度掛かったことになりますね~。

いや~、楽しかった!
最初こそ一般道歩きが多いものの後半は石畳の遊歩道が続き、所々に江戸時代の雰囲気を感じつつ歩いたりする楽しげなコースでしたよ。自転車で登るのも楽しいけどハイキングもお薦め♪


より大きな地図で 箱根旧街道ハイキング 箱根湯本 を表示
 
この記事へのコメント(6件) |コメント入力欄へ
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2011年5月 9日 17:56返信

なんかイイね。この企画。
あのいつもの旧道を進んでいくと所々に出てくるわけ?

分かりやすいのかな?七曲の手前に入っていくところは、知ってる。
湯本駅とかで案内みたいのがあるのかな?

暑くなる前にいってこよう! レッツ・ハイキング!
誰と行くかが問題だ。(笑)

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ina からへの返信 |2011年5月 9日 21:43返信

自転車で登ってるときにちょこちょこ見えるのがコレです~

案内も結構出てるし、このレポートの地図を何となく頭に入れていけば迷うことはないと思いますよ~。基本一本道だから(笑)

忍太さんが行ってみたいって言ってたので、誘ってみてはw

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gen2011年5月10日 07:07返信

箱根だと近すぎるので普通は日帰りですが、一泊してみると良いですよ。

今年の1月、親の金婚のお祝いで富士屋ホテルに泊まったけど、いかにもなクラシック・ホテルでとっても優雅な時間でした。

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ina からgenへの返信 |2011年5月10日 10:41返信

旧街道は三島方面へも続いているようなので、箱根で1泊して下りも歩いてみるってのも楽しげですね!

今きっと安いだろうし~

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Cappuccino2011年5月11日 02:02返信

おー、旧道だ。
昔、遠足で行きましたよ~。石畳といいつつ結構な丸石で湿気で滑べりまくった記憶があります。確か夏の暑い日で、畑宿弁天山記念公園に寄って人心地ついたような気がします。もう数十年まえのことなので細かいことは覚えてませんが(笑)

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ina からCappuccinoへの返信 |2011年5月11日 17:40返信

遠足で行くなんて素敵ですね~
たしかに歩きにくいんだけど、もともと、そういう意図もあって作られているみたいですよ。

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